第122章 美味しく食べてほしかったムルの霊
カンナギ「おい!誰が下品な酒飲みだ!」
話していると突然カンナギが現れた。
クグラ「うわっ!なんでカンナギが此処に!?」
カンナギ「浮舟で通ったらお前らと巨大ムルが居るのが見えてな。で?そのムル食うのか??」
「これはムルの霊なのよ。美味しく食べてもらいたくて成仏出来ないんだって。」
クグラ「つーか、カンナギ?このムルの顔に見覚えないか??」
カンナギ「あ?ムルの顔なんてどれも同じだろ??ここまでデカいのは初めてだが。」
人間にはムルの顔の違いなどほぼ分からないのである。
「クグラ、そりゃぁ分からないわよ。同じような顔だしこのムルは美味しく食べてもらいたかったっていう未練があるムル達が固まってこの状態になったんだから。カンナギ?昔ムルを狩って調理に失敗して丸焦げにした事ない?」
カンナギ「あ?んなもんしょっちゅうだぜ?めちゃくちゃ酔っ払うと無性にムルが食いたくなってよ〜。でも酔っ払うと火加減が上手くできなくなるんだよな…そしたらいつも丸焦げだという……」
「……やはり犯人は貴様かー!!」
クグラ「酔っ払ってんなら自分で焼かないで他に頼めばいいじゃねぇか。」
カンナギ「いや、酔うとやたら自分で調理したくなるんだよなぁ。よく分かんねぇけど。」
ムル「………こんな野蛮で下品な男に…お前のせいで私は成仏出来んのだー!!」
ムルが暴れ出した。
「わー!!落ち着いて!!」
ムル「落ち着いてられるか!!もっと普通の奴に狩られれば…丸焦げにされなかったかもしれないのに!!」
「分かった分かった!!美味しく調理してあげるから!!ね?焦がさないようにするから!!」
ムル「本当か!?」
「肉に加工するまでは他の人にやってもらうけどね。」
そして急遽、クグラ領とカンナギ領の属鞘達でバーベキューをすることになった。涼子はムルが苦手なので焼く係に専念した。
カンナギ「やっぱムルは美味いな!」
クグラ「涼子が料理上手だから美味いんだからな?ん〜!焼き加減が丁度いい!」
「あんたらさっきまで喋ってたムルをよく平気で食べれるわね。ムルじゃくても私は無理だけど。」
クグラ「え?だって、喋ってようがムルはムルだし?」
カンナギ「ムルっていえば食用だもんな!」
「…左様でございますか。」
こうしてムルは美味しく食べてもらえ成仏することができました。
