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クグラと夫婦(アラタカンガタリ)

第122章 美味しく食べてほしかったムルの霊


除霊の仕事を終えた涼子が歩いているとデカいムルの霊が一頭やって来た。
ムル「お前が噂の霊能者……三神涼子だな?」
「噂のかどうか知らなが三神涼子ではあります。てか、超デカいムルの霊が喋ってる…。」
ムル「霊歴100年だからな。喋る程度のことは出来る!お前に頼みがあるんだ…。」
「何??」
ムル「私を美味しく食べてください!!」
「えっ!?無理!!」
ムル「なぜに!?しかも即答だし!!」
「私…ムル苦手なのよね。肉類って…牛、豚、鶏みたいに日本で普通に食べられてるようなのじゃないと無理!ちなみにホルモンも苦手です。」
ムル「……じゃぁ、せめて美味しく調理して誰かに食べさせてくれ!」
「嫌よ!食用とはいえモロ動物を料理したりできないもん!」
ムル「そんな…私が見えるお前だけが頼りなのに…。」
嘆いているとクグラがやって来た。
クグラ「涼子〜!また霊と喋ってるのか〜??」
「あぁ、クグラ!今、霊歴100年のムルと話してたの。」
涼子はムルの霊に実体化させる札を貼った。
クグラ「うわっ!デカいムルだなぁ…。」
「なんか美味しく調理して食べてほしいんだってさ。」
クグラ「えっ…食っていいのか?変な霊だなぁ。」
ムル「私を美味しく調理して食べてほしいんだ!100年前…まだ普通のムルだった頃…下品そうな男に狩られてしまい…その男、相当酔っ払ってたらしく私を調理するのに失敗して…私は悲惨なくらい丸焦げになり食べてもらえずに廃棄されてしまった…。狩られて食べられるにしても美味しく食べてほしかった!!そんな美味しく食べてもらえなかったという未練を持つムル達の霊が固まり私はこんな姿になったんだ!!」
「あぁ、だからそんなにデカいのね。」
クグラ「普通のムルとは思えないくらいデカいよな。」
「てか、もしかして…その丸焦げにした犯人はカンナギだったりして?」
クグラ「ムルが好物で下品な酒飲みって言ったらカンナギくらいしか思い付かねぇもんな。」
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