
第90章 風の妖精さん
ウルキ「あー!!おやつがないよ!!」
イナミ「本当だ!!パパー!!パパの仕業なんでしょ!?」
ウルキ「えー!!酷いよ!」
クグラ「ん?違うぞ?」
イナミ「じゃぁ誰が食べたのよ!」
クグラ「…妖精さんだよ。ほら、手紙がある。」
イナミとウルキは字が読めるので手紙を読んでみる。
『子供達へ
こんにちは風の妖精クグランだよ!お腹が空いてたのでみんなのおやつをつい食べてしまいました。ごめんね。許してね?』
ウルキ「…………これパパの字だよね?」
クグラ「何言ってるんだよ?風の妖精さんだぞ?」
イナミ「嘘だ!!この汚い字はパパのだ!!」
クグラ「おいコラ!汚いとは何だ!!これでも必死に書いたんだぜ?」
イナミ「やっぱりパパが犯人じゃねぇかー!!」
クグラ「コラ!イナミ!口の利き方が悪いぞ!」
イナミ「うるさーい!!おやつの恨みー!!」
ウルキ「何がクグランだ!ふざけるなー!!」
イナミはクグラに飛びかかりウルキも加勢した。
「あ〜ぁ、何やってんだか…。」
トミテ「ゔ〜…おでのおやつが…。」
トミテは泣きじゃくる。
「はいはい、他のおやつ用意してあげるから泣かないの。ヒキツも泣かな……ん?」
ヒキツ「妖精しゃん…。」
ヒキツは泣かずに妖精が食べたと信じていた。
ヒキツ「ママ、妖精しゃんどこ?」
「……たぶんお腹いっぱいになったからどこか行っちゃったんじゃないかな?」
ヒキツ「ヒー会いたいなぁ…。」
「ヒキツ…なんて可愛いの!!」
涼子はヒキツを抱きしめた。
トミテ「あー!ヒーだけじゅるい!」
「はいはい、トミテもおいで。」
二人の抱っこしていると今度はイナミとウルキに攻撃されているクグラが騒ぎ出す。
クグラ「あー!ヒキツにトミテ!俺の涼子だぞ!あんまベタベタするなよ!」
「子供にヤキモチ妬かないでよ。」
クグラ「だってさ…」
「ねぇ、ヒキツってば妖精のこと信じちゃってるよ?」(コソコソ)
クグラ「マジかよ…。なんて可愛いんだ…!」
クグラはヒキツを抱き上げる。
ヒキツ「ねぇ、パパ?妖精さん来る?」
クグラ「…あぁ、来るよ。ヒキツがお利口にしてればな。」
ヒキツ「ヒーお利口しゅるよ!」
それからのヒキツはとてもお利口だった。片付けもキチンとしてご飯もキレイに食べてお漏らしせずにちゃんとトイレもして…更に自分のおやつを妖精用にと残して置いとくようになったのだ。
