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クグラと夫婦(アラタカンガタリ)

第90章 風の妖精さん


ある日仕事を終えて帰ってきたクグラは一人でテーブルに置いてあったお菓子を食べていた。
クグラ「これ美味っ!!」
子供達は侍女に外へ遊びに連れ出してもらい涼子はお祓いの仕事に行っているので珍しく一人なのである。
そこへ涼子が戻ってきた。
「ただいま………あー!!クグラ!なんで食べちゃうのよ!!」
クグラ「あ?なんだよ!別にいいじゃねぇか!」
「それ、子供らが楽しみにしてたおやつなのに…。泣くわよ?」
クグラ「げっ!泣かれたら面倒だな……よし!こうなったら妖精作戦でいくぞ!」
「何よそれ??」
クグラ「このお菓子を食べたのは妖精ってことにすればいいんだよ!俺が食べたらマジ泣きするだろうけど妖精だったら仕方ないと諦めるだろ!」
「………イナミは絶対騙されないと思うよ?それにあの食い意地張った子達が相手が妖精だろうと許すとは思えないけど…。」
クグラ「大丈夫だって!餓鬼みたいな奴らだけどなんやかんやで純粋な子供なんだぜ?よし!妖精になり切って手紙書いておくぞ〜!」
「なんて楽観的なんだ………。」
クグラ「あっ!その前にまだしてないぞ!」
「何がよ?」
クグラ「お帰りなさいのチューだよ!」
おはよう、いってらっしゃい、お帰りなさい、一日三回の愛してる、おやすみなさいの口付けをするのがこの二人の日課なのである。これだけは忘れっぽいクグラでも必ずすることなのだ。
口付けをした後、クグラはお菓子の置いてあったところに手紙を置いておく。
そこに子供達が帰ってきた。
イナミ「ママ〜!!ただいま〜!」
ウルキ「いっぱい遊んできたよ〜!」
「お帰りなさい!ちゃんと侍女さん達の言う事聞いていい子にしてた?」
イナミ「当たり前よ!私を誰だと思ってるの?」
「(我儘で人一倍食い意地張った生意気な女の子だと思ってる…。)そうだね〜お姉さんだから大丈夫だよね。」
ヒキツ「ママ!おやつ!」
トミテ「おで、お腹すいた!」
子供達はおやつの置いてあるところへ行く。
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