第89章 輪廻転生
それから結構な頻度でクグラ父はカセフノの城に来るようになった。
クグラ父「なぁクグラ?俺の今の親に俺とお前の関係を話してくれないか?」
クグラ「あ?なんで??」
クグラ父「城に出入りしてるの知られてさ〜、身分が違うんだからむやみに近寄るんじゃないとか煩くてよ。今日はこっそりと家出てきたんだけどさ〜。」
「まぁ、普通はそう思うわよね。…クグラ、今度お父さんの家に行って話してこようよ?」
クグラ「そうだな。でもよ…自分の息子の中身がスケベな中年オヤジだって知ったらガッカリするんじゃねぇか??」
「確かに…5歳の我が子の中身が純粋さの欠片も無い中年だと知ったら……泣いたりしないか心配ね。」
クグラ父「スケベだの中年オヤジだの言うな!カッコイイおじ様と言え!」
そして数日後、クグラ父の現在のお宅を訪問する事になった。
父「クグラ様、涼子様、息子がいつもお世話になりまして…。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。」
クグラ父の現在の父母に会うなり土下座されてしまった。
「いえ…そんな。どうか頭を上げてください。」
母「でも…身分が違うのに…気安く城に出入りするなんて無礼な事を…。」
クグラ「いや、そんな事は構わない。この子供は…俺の父なんだ。」
母「……え?」
「実は…お宅の息子さんはクグラのお父さんの生まれ変わりみたいなんです。」
クグラ「親や当時の家族以外は知ってるはずのない事を知っていたり…性格も話し方も俺の父親そのものなんだ。」
「信じられないかもしれませんが…本当なんです。だから城に出入りする事も別にお気になさらないでください。クグラのお父さんなんですから。」
母「そうだったんですね…。」
意外にもクグラ父の父母はあっさり信じてくれた。
父「色々とおかしいとは思ってたんです。普通の子供とは思えないような事ばかりして…。」
母「まだちゃんと喋れないような歳なのに女の人見かけると目の色変えて声かけたり…喋れるようになってからは純粋な子供らしさは無くまるでスケベオヤジのような発言ばかり……うぅっ…良かった…この子のスケベオヤジ病の原因が分かって本当に良かった…。」
まるで大病の治療法が分かったかのように涙を流しながら喜んでいた。