第84章 すすり泣き事件
「いや、いい歳した男が二人で毎日のようにすすり泣きしてるって大したことあるから!何してたの!?」
クグラ「…韓流ドラマ見てた。」
「は??」
クグラ「韓流だよ!涼子の母ちゃんから借りたんだ!」
「何故に!?」
クグラ「前に家族で日本に行った時に涼子は友達と会って子供と俺は涼子の実家で待ってたじゃん?そん時に涼子の母ちゃんが韓流ドラマ見ててさ…勧められて一緒に見てたらスゲー泣けて…ハマって…兄さんにも勧めたら兄さんもハマって…。」
「それで…毎晩二人で泣きながら見てたのね。」
エト「今見てるのは仲のいい兄妹が生き別れになって再開できたと思ったら妹が記憶をなくしていたって内容でな…自分らに重ねて余計に泣けて…。あっ…思い出したらまた涙が…。」
「はぁ……まぁ泣けるのは兎も角…そこまでハマるのが理解できない。」
涼子は韓流にあまり興味がないのである。
クグラ「なんでだよ!涼子がいつも見てる不倫ドラマや殺人事件のドラマよりずっといいぜ?」
涼子は泥沼不倫ドラマやサスペンスが結構好きなのである。
「え〜…。」
クグラ「やっぱりな…涼子の母ちゃんが『あの子には韓流の良さは分からないでしょうから見るなら涼子が居ないところで見るのがいいわよ?』って言われたがその通りだったぜ!」
涼子は実家で暮らしてる時、韓流ドラマを見ていた母に『また見てるの〜?よく飽きないよね?そんなに面白いの??」とちょっと?否定的だったのである。
「分からなくて結構よ。…で?まだ二人だけの韓流ドラマ鑑賞会は続けるのね?」
クグラ「勿論だ!続きが気になるしな!」
エト「それに全話見たら今度は韓国語版を見る予定なんだ。」
「まぁ構わないけどさ…。あっ!すすり泣きの正体がクグラとお兄ちゃんだってみんなに話しとくからね?知らないままじゃみんなにまた聞かれた時、気味悪がるだろうし。」
クグラ「えっ…それはちょっと…。」
「問答無用!じゃっ!見過ぎて寝不足にならないようにね!」
涼子はエトの部屋を出て行った。
そして次の日に属鞘や侍女にすすり泣きの正体を話し、みんな苦笑したそうな。