第82章 大人の時間
子供らが黙って蟹を食べているところを見つめていたのである。
イナミ「やっぱり…二人で隠れて美味しい物食べてたのね。」
ウルキ「パパもママもズルいよ!」
ヒキツ「ヒーも食べる!!」
トミテ「おでも!」
「はぁ…クグラ仕方ないね。」
クグラ「そうだな。」
仕方ないので子供らにも食べさせることにした。
イナミ「ママ!上手く食べられないから取ってちょうだい!!」
「はいはい、威張らないでよ。」
ウルキ「パパ!ウーの分も!」
トミテ「おでのも取で!」
クグラ「へいへい。つーか、トミテ!取れじゃなくて取ってくださいだろうが!」
トミテ「取ってくれ!さい!!」←わざと
クグラ「トミテめ…イナミとウルキ並みに生意気になりやがって…。」
ぶつぶつ言いながら蟹の身を不器用に取ってあげる。
ヒキツ「ママ…ヒーのも取ってくれゆ?」
「いいわよ。…可愛げあるのはヒキツだけね。」
そして子供達が一口食べる。
イナミ「美味っ!!」
ウルキ「美味しい!ウーもっと食べる!」
イナミ「あー!私が沢山食べるんだからウルキは引っ込んでなさい!」
ウルキ「ヤダよ〜だ!」
ヒキツ「おいちいね!」
トミテ「おでももっと食うぞ!」
そしてさほど味わうでもなくガツガツと食べていく。
「あ〜…せっかくの蟹が…。」
クグラ「味も知らないガキ共に食われていく…。」
イナミ「あ〜美味しかった!さて、それなりに満足したし寝るか!」
ウルキ「ウーも寝よおっと!」
ちなみにウルキはやっと抱っこなしで寝れるようになりました。
トミテ「おでも寝るぞ!」
ヒキツ「ヒーも眠くなっちゃった…。」
クグラ「みんな腹の皮が突っ張って目の皮が弛んだか。」
「ちゃんと歯を磨くのよ!」
そして子供達が寝室に戻って寝た頃。
「クグラ…まだ蟹味噌が残ってるわよ!」
クグラ「何だそれ??」
「蟹の甲羅の中にあるわたのことよ!何気に美味しいんだよ?あ〜んして?」
クグラ「あ〜ん…ん??なんだ!?美味いぞこれ!!」
「でしょ?蟹足は少ししか食べれなかったけど…蟹味噌で大人だけの時間を過ごしましょう?」
クグラ「あぁ!涼子、もっと食わせて?」
「はい、あ〜ん!」
蟹味噌を味わいながら食べ二人きりの大人の時間を過ごしたのだ。
にしてもクグラは普段お子様舌なのに蟹味噌が口に合ったのは何故か…不思議である。
