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クグラと夫婦(アラタカンガタリ)

第82章 大人の時間


子供達が寝静まった頃、涼子はクグラに箱を見せた。
「クグラ…これ見てほしいの。」
クグラ「なんだ?色っぽいパンツでも買ったのか?」
「違うわよ!これよ!」
なんと箱の中身は蟹が入っていた。
クグラ「こっ…これは…いつだか涼子の実家で食べさせてもらった蟹!」
「そうだよ〜!食べ応えありそうでしょ?」
クグラ「これどうしたんだよ?」
「今日の昼間日本に帰った時にパパとママがお土産に持たせてくれたの。」
クグラ「マジかよ…涼子の親ありがとう!…つーかさ、思ったんだけど…子供らにコレ食わせるの勿体無くねぇ?」
「確かにね…。あの子ら味わうとかなくバクバク食べるもんね。」
クグラ「だよな!絶対アイツらが蟹を見たら…食い争ってあっという間に無くなるだろうな…。」
「…これは明日の夜、子供達が寝静まってから二人で食べましょう。」
クグラ「平等に分けような!」
「分かってるわよ!下手に争ったら子供らが起きるしね!」
クグラ「あ〜明日の夜が待ち遠しいぜ!!」

そして次の日
クグラ「早く夜にならないかなぁ〜!」
イナミ「…パパ随分と機嫌がいいね?」
クグラ「そんなことねぇよ!」
ウルキ「え〜?機嫌いいよ!今イーちゃんが紙に『パパのうんこたれ』って書いてるのに何も言わないし!」
イナミとウルキは字が読み書きできるようになったので下品な二人はふざけて汚いことを書いたりするのである。
クグラ「パパは大人だからな!そんなことで一々怒らないのさ!」
イナミ「昨日『クグラのうんこちんちん』って書いたら怒ってたくせに〜!」
クグラ「それは呼び捨てにしたからだろ!パパは王様なんだから呼び捨てしていいのは愛する涼子と兄さんだけ!」
ウルキ「ふ〜ん。…ねぇ、昨日の夜何かあったの?」
クグラ「…なんでだよ?」
ウルキ「だって二人とも機嫌いいし。なんか秘密があるんじゃないかなって…。」
クグラ「親が子供に秘密なんて持つわけねぇだろ?…あっ!そろそろ仕事行ってくる!」
クグラは仕事を口実に逃げた。
イナミ「…怪しい。」
ウルキ「イーちゃん、夜寝たふりして見張ろうよ。」
イナミ「そうね。ヒキツ、トミテ!あんた達も今夜寝るんじゃないわよ!」
トミテ「分かったじょ!」
ヒキツ「あい!」
ウルキ「夜起きてられるように今のうちに寝ておこうよ!」
そして子供達は自主的に昼寝を始めた。
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