第73章 鏡の中
クグラ「………お前は涼子じゃないな?」
「何を言ってるの?どう見たって涼子じゃないの!」
クグラ「違うな…。お前は俺の涼子じゃない!本物の涼子をどこへやった!!」
そう言うと鏡から手が出て涼子は引き摺り込まれた。そしてまた涼子が出てきた。
「た…助かった…。」
クグラ「涼子大丈夫か!?」
「なんとか…。」
イナミ「ママ戻ってきたのね!!」
ウルキ「本物のママだ!!よかった…。」
トミテ「うぎゃー!!ママー!」
ヒキツ「うっ…ママ…うわ〜ん!!」
エト「…いったい何があったんだ??」
「この鏡に近付いたら中に引きずり込まれたのよ。で、偽物と入れ替わったってわけ!」
ヒルハ「じゃぁお子様達が言ってたことは本当…?」
「えぇ。クグラが偽物だってハッキリ言ってくれたから偽物が動揺して隙が出来て出れたのよ。」
イナミ「ほら!だから偽物だって何回も言ったじゃない!!
ウルキ「なのにエトもヒルハも信じてくれないで!!」
エト「すまない…。」
ヒルハ「申し訳ありません…。」
「仕方ないわよ。鏡に映った私が出てきたんだから…。とりあえず、この鏡は悪霊が憑いてるから封印の札を貼って処分しましょう。」
涼子は封印の札を貼った。
「ところでクグラはよく偽物だって分かったわね?」
クグラ「ふっ…愛する妻を見間違えるはずないだろ?」
ヒルハ「あれ?最初は『ここに居るじゃねぇか?』とか言ってませんでした?」
クグラ「ヒルハ!余計なこと言うな!!」
「そういえばそうよね…。…クグラ正直に言ってみて?」
クグラ「…実はさ、あの偽物をよく見ながら極飛で少しだけ風を吹かせたんだよ…。その時ちらっと見えたんだ。」
エト「いったい何が見えたんだ?」
クグラ「パンツが…。」
「は?」
クグラ「あの偽物な…涼子が持ってるはずのない黒いパンツ履いてたんだ。涼子が持ってるのは白のばっかで黒は一枚もないはずだからおかしいなぁと思って…。それに今朝見た時も白かったはずだと………グエッ!!」
涼子はクグラを一発殴った。
「もぅ!!偽物を見事見破って惚れ直したなぁと思ったのに!!パンツの色で判断したとか最悪じゃないよー!!」
ヒルハ「ヒルハもクグラ様カッコイイと思ったんですけど…残念な結末になりましたね。」