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クグラと夫婦(アラタカンガタリ)

第35章 盗賊団


?「おい!お前!俺らを成仏させろ!」
「は?」
部屋でのんびりしていると後ろから声をかけられ、振り向くと悪そうな見た目の霊が二人居た。
「なぜ?ここに入れた!?」
霊1「あ?あのガキが結界を解いたからだろ?」
扉の方を見ると結界に使っていた飾りをまたイナミが外していた。高いところに移したはずなのだが、どうやら椅子を扉の方へ持って行き椅子の上でウルキが馬になりその上に立って取ったらしい。
「イナミの奴…そういう知恵ばかりつけて…。で?成仏させろって?何か未練があるわけ?」
霊1「俺らはな、生前に盗賊団を結成したんだ。」
「…悪人か。とっとと封印してあげるわね。」
霊2「待て待て!話を聞いてくれよ!盗賊団を結成していざ、初仕事って時によ…ムルの大群がやってきてな…」
「吹っ飛ばされて死んだとか?」
霊1「いや、その時はなんとか生きていた。吹っ飛ばされた後な誰が作ったか知らんが落とし穴があってな…」
「まぁ、なんて間抜けな!」
霊1「最後まで聞けって!で、そこに落ちて…かなり深くて登ってこれずにそのまま二人で飢え死にしたんだ。」
「それはお気の毒。」
霊2「だろ?そんなこんなでまだ俺らは盗賊団を結成してから一度も盗賊らしいことをしてないわけだ。それでだな、盗賊らしいことをさせてくれ。」
「いやいや、そんなことしたら私が捕まるよ。」
霊1「頼むよ!盗賊になったのに何も盗まずに人生終えたなんて…悔しくて悔しくて成仏できん!」
「そう言われてもなぁ…。」
話しているとクグラが帰ってきた。
クグラ「帰ったぞ〜!…何一人で話してるんだ?また霊か??」
「盗賊団になろうとしたのになれずに死んだ霊が二人ほど来てるのよ。」
クグラ「なんだそりゃ?で、そいつらが何だって?」
「盗賊団結成したのに何も出来ずに終わったのが未練なので盗賊らしいことをやりたいんだってさ。」
クグラ「ふ〜ん…じゃぁ今度盗賊に襲われた際の訓練やるからそれに盗賊役で参加させりゃいいんじゃねぇの?」
「そんなのやるの!?なんて都合のいい展開!」
クグラ「ヨルナミ、カンナギ、ヤタカの領土の兵士や属鞘も参加する訓練だったりする。」
「おお!だってさ、あんたたちやる?」
霊1「やる!」
霊2「兵士共をギャフンと言わせてやる!」
「ギャフンなんて本当に言う人いるのかしらね。…じゃぁ決まり!あんた達ちゃんと準備しときなさいよ?」
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