第5章 ただいま現代
─────ドォン!!
下で何かがぶつかる音が聞こえ、2人の鼓動と呼吸が荒くなっていく。
ハァハァハァ.....
上手く吸えない空気を無理に吸い込みながら、2人は下をのぞき込むとさっきまで生きていたはずの友人が、頭から真っ赤な鮮血を流し、有り得ない方向に曲がった身体を地面に横たえていた。
即死だ。
確実にアッ君は死んでいた。
『いや.....いやだ....いやああぁぁぁぁ!!!』
「あ、あぁ....あぁぁぁぁ!!!」
頭を抱えたリツカとタケミチは泣き叫ぶ。
その声を聞きながら、屋上にいたもう1人の男は薄ら笑いを浮かべていた。
「すみませんが、しばらくソッとして置いて下さい。」
「いいよ。話聞かれんだろ?」
『.....大丈夫。話すよ。』
ナオトは暗い顔をして俯く2人に歩み寄るとポン肩に手を置く。
「無理しないでください。今は少し休みましょう。」
「ナオト....龍宮寺堅を死んだ日を調べてくれ。」
『東卍を巨悪にしたのは他でもない....稀崎鉄太だ!』
「!」
「俺は....」
『私は....』
「『ドラケンも、ヒナも、杏花も、アッ君もみんな、助けたいんだ!』」
悔しそうに泣き出す2人はそう力強く誓いを立てるのだった。