第19章 羽折れの天使
「ん!?なんだテメェら。」
「アイツ見たことありますよ。.....東卍の壱番隊 隊長 花垣です。」
「黒龍のシマに東卍だぁ!?しかも2匹。1匹は9代目がさんざん世話になった方じゃねぇか。」
『(マズイ!そうだ。ここは黒龍のシマだ!コイツらに目をつけられた以上無事には返して貰えるはずがない!)』
「ナメてくれんじゃねぇか!!ウチのシマから生きて出れねぇぞテメェ。」
ココの怒りに満ちた声とともに目の前にいた兵隊がゾロゾロとこちらに向かってくる。
ざっと見ても50人はいる。
いきなりのピンチだった。
「オマエが噂の東京卍會 壱番隊隊長 花垣武道か!」
ココは右腕を平行に広げると雄弁に語り始めた。
「ここら一帯は俺ら黒龍の縄張りだ。この辺でのさばってる他のチームの奴がいたら殺せってボスに言われてる。これがどういうことかわかるよなぁ?花垣ッ!!いや。テメェが分からなくてもリッカはわかるよな?」
『つまりオレたちに"死ね"ってことでしょ?』
「わかってんじゃねぇか!じゃあ大人しくさっさと死ね!!!」
「テメェらやっちまえ」
「やめろや。タケミっちとリッカは俺のダチだぞ!」
「ヒナちゃん。杏花ちゃん。下がってなコイツら女にも容赦しねーから。」
「若ぁ〜いくら若の友達でもしっかり躾て貰わねぇと。ウチの奴らぁ言うこと聞かねぇから!」
その言葉を皮切りに黒龍の兵隊達が6人に詰め寄る。
とくにタケミチをロックオンしているようでゾロゾロとタケミチの方に敵が集まりつつあった。
「コイツがあの花垣?」
「噂より弱そうじゃねーか。」
「でも隣には特攻隊.....じゃなかった今は零番隊?だっけか?リッカがいるぜぇ?やべぇだろ。」
「2人とも俺がやって手柄立ててやるぜ!」
「馬鹿!リッカと言えば1人で9代目の残党潰した奴だぞ!気をつけろ。」
リツカを見た黒龍のメンバーはゴクリと固唾を飲む。