第18章 総決算と決意*
その瞬間
身体に重りをつけられたように力が入らなくなっていくのが感じた。
『ツッ!!(ヤバい.....力が入らない.....)』
「前線を離れた天使チャンなんて簡単に捕まえれんだよ。残念だが。大人しくしてような?」
『....か、ヒューヒュー.....』
よっぽど強い薬を盛られたのだろう。
声が出なくて、何も言えなくなってしまう。
「口をパクパクして可愛い。死にかけの金魚みてぇだな。最期に天使チャンの声が聞けねぇのは悲しいけど......死んでも俺たちは一緒だぜ?」
悔しくて、苦しくて半間を睨みつける。
すると彼の目からは涙が流れていた。
え......涙??
なんでどうして貴方が泣くの?
《「じゃあな。俺の」》
《ヒーロー》
「天使チャン」
トリガーに指がけられ、リツカは覚悟を決めたように目を瞑った。
──────ドンッ!
ブレーカーが落ちる音がして咄嗟に目を開けば視界が一瞬にして闇に包まれていた。
ドッ!ゴッ!バキッ!!
「ぐあ.....誰だ!早く電気をつけろ!」
半間の焦ったような喚く声が聞こえる。
すると聞き覚えのある優しい声がリツカの耳もとに響いた。
「担ぐぞ。黙ってろな。」
ふっと体が浮く感覚がして半間と2人きりだったはずの部屋から誰かリツカを運び出していく。
そんな中安心したリツカは肩の激痛で気を失った。
最後に見た光景はスマホの画面に移るただの肉塊となった血まみれの千冬の姿だった。