第18章 総決算と決意*
卍 卍 卍
『ハッ!』
次に起きた時にはマイキーの姿はなかった。
でも、隣に確かにいたかにいたようで触ってみると少しの温もりが残っていた。
『夢だったら良かったのに.....』
現実は残酷にも夢ではなかった。
目覚めて辺りを見渡すと、気を失う前の高級ホテルの一室でベッドにまた真っ白なワンピースを着せられ寝かされていた。
最初は淫夢か何かだと思ったが股から太腿につたい落ちる血の混じった白濁液と疼く下腹部がそれを許さなかった。
おそらくだが気を失ったあとも何度も注ぎ込まれていたんだろう。
『ヤり逃げかよ.......バカ。』
外はもう黄昏時になっており、丸一日近く寝ていたことを示していた。
『とりあえずシャワー浴びたいんだけど.....』
この状態じゃ.....さすがに無理だな
ガッチリと嵌められた足枷を見てリツカは苦い顔をすると唇を噛み締める。
いつまでもここにいる訳にはいかないのに!
一刻もこの場から逃げてナオトやタケミチと合流しないと。
なにか打開策はないかと辺りを見回していると壁にかけてあった短剣を見つける。
リツカはそれをおもむろに手に取ると振りかざし、一気に振り下ろした
ガキンッ!!
何度も何度も振り押すと突然バキッ!!と音を立てて鎖が割れた。
よし。これで自由になった。
後はここから早く逃げないと!
未だに感覚のない重い腰を上げようとした時だった。
─────コンコン
『!』
控えめなノックが部屋に響き渡る。
一瞬動きを止めたリツカは警戒するようにドアに視線を向けて手元にあったガラス製の灰皿を手に取った。
『ッ!......』
「「失礼します。」」
『(声が2重.....敵は2人、この状態で一気に2人もヤレるか?)』
─────ガチャ。
迷っている間にもドアが開く。
開ききった瞬間
リツカは思いっきり顔面に当てる覚悟で灰皿をぶん投げた。