第4章 喧嘩賭博！？

「オイ！陰キャ！！コイツらがどうなってもいいのか！？」


ギャラリーの方から声が聞こえ、リツカの拳が目の前で止まる。
リツカはゆらりと方向に視線を向けると、レッド達がアッ君達を人質に取っている所が目に入った。


「アオバ.....わりぃ。」


『は？』


「ｸｸ｡おい。陰キャ.....これならテメェも好きに動けねえだろう？」


胸ぐらを捕まれ、さっきまで翻弄されていたキヨマサが勝ち誇ったように笑う。
その手にはいつの間にかバットが握られており、その様子にギャラリーがざわつき、引いていた。


「嘘だろ？」


「やべーって！誰かキヨマサ君止めろよ！あいつ死んじまうぞ！」


「これで殺してやんよ！！後悔すんなよ！クソガキが！」


『ッ！！最悪すぎ.....』


鉄バットをキツく握ったキヨマサはリツカに向かってバットを振り上げる。



──────ガンッ！！



「リッカ君！」


「リッカ！！」


「アオバ！！」


辺りに悲鳴に似た声と鈍い音が響く。


『いった....今受け身取らなきゃ死んでたぞこれ。』


殴られたリツカは反動でその場に倒れると、開いた額の傷口からは血が流れ落ちる。


「あはは.....やった......やってやったぜ！！」


『.....てんじゃねーよ。』


「あ？まだ意識あったのかよ。声が小さくて何言ってんのか聞こえねーよ！！」


フラフラとした足取りでリツカは立ち上がると、キッ！と鈍い瞳でキヨマサを睨みつける。


「あ？なんだその目？」


『お前みたいな卑怯な手しか使えねない。ゴミクズが私の大切なモンに気安く触れてんじゃねーよ！！今すぐその汚ねぇ手を離せ！クズども！！』


「んだとゴラ！！もっぺんヤラれてーのか！！あぁ！！？」


「リッカ君！もういい！逃げろ！このままじゃ殺される！」


「アオバ！俺たちのことはいい！逃げろ！！」


『良くないよ。友達が....東卍が.....馬鹿にされてんのにっ.....逃げる訳には行かない！！そうやって私は全部失った....私にだって譲れないものがあるんだ！私達には引けない理由があるんだよ！！！』


杏花も日向もみんな救いたい。
そのためには私たちはここにいる！

もう逃げないって誓ったんだ！
だから、私たちは退けないんだ！！