第4章 喧嘩賭博!?
「よォリッカ〜!今日暇ぁ?」
『ん?まあ、暇だけど...』
翌日12年ぶりの中学に通い、慣れない勉強をして疲れた身体を癒すために早々に帰る準備をしているとクラスメイトの不良が声をかけてくる。
「喧嘩賭博観に行かね?」
『喧嘩賭博?』
「ああ、なんでも東卍のヤツが主催の賭博でさぁ─────」
ピクッ!
喧嘩賭博と聞いた瞬間
遠くでタケミチ達とたむろっていたアッ君が微かにビクついた。
リツカはそれを目の端で捉えると何かあるなと踏んでわざとらしくにっこりと笑った。
『いいぜ!観に行く!』
「え!?マジで!?」
『ん?なんかおかしこと言った?』
驚いた様子の不良にリツカは首を傾げる。
「いや、お前てっきりこういうの嫌いなのかと....だって。お前ほら....」
見た目陰キャだし....と言った不良の言葉にそういえばと思い出す。
学校にいる時のリツカは白銀の髪が目立たないように制服にパーカーを来て、深々とフードを被っている俗に言う陰キャの姿をしている。
そりゃその反応になるわなぁ....とどこか他人事のようにリツカは思った。
『別に嫌いってわけじゃねえけど、好きって訳でもねぇよ?東卍主催って聞いたから興味が湧いただけ。まぁ見に行く分にはいいかなって思ってさ。』
「やりぃ!最近俺ハマっててさ!勝ったら結構金になるんだ!見るだけじゃなくて お前も掛けね?」
『いや、お前人の話聞いてたか?オレは見るだけでいいわ。今日金持ってきてねぇし。』
「なんだつまんね〜。」
ブーブーとブーイングをする不良を横目にアッ君に視線を向けると、明らかに顔色が悪くなっているのがわかる。
すると、傷だらけのタケミチがリツカに恐る恐る近寄ってきた。
「あの....」
『....ん?』(^^
「あ....えっと"リッカ君".....ちょっと来てくんない?」
『ここじゃ無理なの?』
「うん。」
『わかった。じゃあまた後でなー』
「おー」
"リッちゃん"と呼ぼうとしたタケミチに視線で静止させ、リツカはタケミチに連れられ教室を出ると男子トイレへと案内される。