第15章 血のハロウィン
「俺がリッカと場地と残る。」
「!」
「みんなは行ってくれ。」
「一虎君」
「俺の起こした事だ。自分でケジメをつけたい。マイキー。約束する。リッカと場地は絶対に死なせない。だから、俺にもう一度贖罪のチャンスをくれ。俺に2人を任せて欲しい。」
「......」
「俺はコイツらに計り知れないほどの恩がある。この命に変えても2人を絶ッ対ェ死なせねぇ。だから頼む。コイツらだってオマエらが捕まることは望んでねーはずだ。」
「わかった。絶ッ対ェ死なせるな。」
マイキーは一虎に視線も向けずそう言うと名残惜しそうにリツカを地面に横たえ立ち上がる。
「......」
「マイキー!許してくれなんて言えねぇ。真一郎君の事も、場地の事も、リッカの事も一生背負って生きていく。」
一虎はそう言うとマイキーに向かって頭を下げる。
しかし、マイキーはそれ以上言葉を発すことは無くただ後ろ髪を引かれながらその場を去っていった。
残された一虎は救急車と警察が来るまでリツカの傷を止血する。
しかし、血は一向に止まらずリツカの顔色はまるで死体のように悪くなっていく。
「リッカ、場地.....死なないでくれ.....」
神に祈るように一虎はリツカの小さな手を握りしめた。
あぁ.....小さい手
こんなに細くて、少し力を入れただけで折れそうな小さくて細い手
俺よりずっと小さくて弱い1歳下の女の子
本当なら守られる立場なのに
俺はこんな小さい女の子にずっと守られていたんだな。
背負わせて、庇ってもらって.....本当に情けなくなるよ。
こんな俺がオマエのことを好きになる資格はねぇよな。
サイレンの音がもう間近まで迫っている。
「リッカ......今までありがとう。オマエの事がずっと好きだったよ。ずっとオマエのこと縛ってゴメンな。だからもう自由になってくれ。」
一虎はそれだけ言うとリツカの頬に涙を零した。
2005年10月31日
東京卍會150人vs芭流覇羅300人
東卍の勝利に終わったこの抗争は
重傷者2名
逮捕者1名を出すこととなった。
そしてこの抗争が後に
"血のハロウィン"と呼ばれる事となる。