第15章 血のハロウィン
「やめろ!!マイキー!!」
ドラケンの声すら彼にはもう届かなかった。
「殺す!殺す!殺す!!」
「(もう、これは俺たちがいた未来に向かっちまってる。)」
タケミチが悔しそうに俯いた時ふわりと髪を撫でるように風が吹いた。
【タケミチ。マイキーをお願いね。】
意識の奥で鈴の音が鳴り、リツカの笑顔が脳裏によぎった。
「ッ!(そうだ。何やってんだ俺!リッちゃんが居ない今、俺がマイキー君を止めないと!)」
「うわあああぁぁぁっ!!」
2人の間に割って入るようにタケミチが立ちはだかった。
「もうやめましょう!マイキー君」
「退け。テメーも殺すぞ。」
ゴッ!!とマイキーの拳がタケミチに飛ぶ。
「リッカ君は.....リッちゃんはこんな事望んでねぇよ!」
「テメーがリアを語んじゃねーよ。」
「リアを語るな?死んじまったんだぞ!リッちゃんは!それがなんでわかんねぇんだよ!」
邪魔な学ランを脱ぎ捨てたタケミチはキッ!とマイキーを睨みつける。
「リッちゃんと場地君がなんの為に命を張ったと思ってんだよ!2人の!東卍の為だろ!?リッちゃんと場地君は一虎君もマイキー君も大切だったから!一虎君に止まって欲しかったから。マイキー君に一虎君を許して欲しかったから。皆が大好きだから......自分が犠牲になることを選んだんだってなんでわかんねぇんだよ!!」
「タケミっち.....」
「2人のために!東卍のためにずっとたった2人で戦ってたんだぞ!!」
「......じゃあ聞くけどコイツは兄貴を殺した。リアも場地も目の前でコイツに殺された。そんなことされてオマエはコイツを殺さずにいられるのか?コイツは壊すことしか能がねぇんだぞ。」
「それでも!」
「もうオマエ黙れよ。」
感情のないマイキーは冷たい声でそう言うと拳を振り上げた時だった。