第15章 血のハロウィン
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「一虎ぁ!!逃げ回るだけか!?」
山積みにされた車の上を今日に飛び渡っていく一虎にマイキーはそう問いかける。
すると一虎がクスと笑ったのを合図に1人の男が出てきて、マイキーに蹴りを入れた。
「チッ」
「どうした?マイキー。膝なんて着いてよぉ。」
「不意打ちなのによくガードしたなぁ。」
「たまたまだろ。強ぇー奴なんて大抵噂だけだ。」
「一虎。テメー、タイマンも張れねぇのか?」
立ち上がったマイキーが一虎に冷たい視線を向ける。
「タイマン?誰がそんな約束したよ。」
笑った一虎の耳飾りがリンっと音を立てる。
「こいつらテメー用に用意した喧嘩のエキスパートだ。俺の居た年少で最強だった!」
スキンヘッドに顔にタトゥーを入れた方がチョンボ
よく、食べ物を食べているのがチョメだ。
「行くぜ。マイキー!!」
ガラクタの山を足場に飛び蹴りをする。それを難なく片手で受け流したマイキーにチョメは焦ったようにチョンボに指示を出す。
「チョンボ。離れろ!!」
その瞬間
ガシャン!!と音を立ててチョンボが立っていた車のバンパーがマイキーの蹴りによって潰れる。
「危ねぇー」
「チッ。ちょこまかと!」
「コイツは本物みてぇーだぁ。」
「なんでテメーをここに誘い込んだと思う?マイキー。この足場の悪さじゃあ、テメー自慢の核弾頭みたいな蹴りも上手くキマねーだろ?」
「.....」
「この作戦はリッカが考えた。マイキー。もうリッカの心にはオマエは居ない。アイツはもう俺の、俺だけの天使サマだ!」
「リアはオマエのモンじゃねーよ。一虎」
無表情でただ冷たい目で一虎を睨みつける。
「オイ!余所見してんじゃねーよ!」
チョメはそう言ってマイキーの背中を蹴りあげる。
「こっからが本番だぜ!!」
「一虎ァ。テメーにリアは渡さねぇ!リアに理想を押し付けるテメーにはな!!」
「理想?」
2対1という本来なら劣勢の中、優勢を保つマイキーにチョンボは焦りを覚える。