第15章 血のハロウィン
『!いや。なんでもないです。それより頼んでた稀咲の情報ありました?』
「いや、なかった。俺らの方でも結構調べたけど全部オマエが持ってる情報と類似してた。唯一掴めたのは昔オマエと同じ塾に通ってたぐらいだな。」
『(稀咲が同じ塾に?まともに行ってないけどあんな色黒な子記憶にないけどな....)つまり新情報はないってことですね。』
「悪ぃな。」
『いえ、竜ちゃんたちのせいじゃないです。むしろ無理言ってすみませんでした。』
「でも、稀咲は俺たちと同じようにオマエに執着してるのは確か。」
『執着ですか。』
「だから可愛くてひ弱な天使ちゃん♡飲み込まれないように気をつけろよ?調べただけでもアイツかなりやべぇから。」
『あは。冗談ですよね?蘭ちゃん』
蘭にそう言われたリツカはどこか面白可笑しそうに笑うと、スっと冷たい瞳で蘭たちを見下ろした。
『それ誰に言ってるんですか?』
その妖美な瞳をみた瞬間
ゾクッ!と2人の背筋に冷たい何かが走り、ゴクリと固唾を飲む。
『私の運命は私が決める。他人にどうにかなんて絶対にさせない。それが例え神であろうとあなた達であろうとね。だから心配する必要ないですよ。』
「オマエ本当唆られる♡」
『それ褒め言葉として受け取っておきます。あ、そうだ。今回の報酬なんですが......』
リツカはそう言って妖艶な笑みで笑うと、蘭の左耳に口許を近づけた。
『蘭ちゃんたちが欲しがってた情報ありましたよ。六本木の一角にある最近できたBAR。そこで秘密裏に半グレや不良相手にヤクの売買が行われてます。情報からしてMDMAです。』
「あ〜MDMAね。安価だもんな。で?その命知らずはだれ?」
『密売集団の名は芭楼紅"(バルク)"目黒の暴走族集団です。』
「芭楼紅.....目黒、シマ荒らしってことか?」
『平たく言えばそうですね。六本木の覇権を狙っているんだと思います。早めに対処した方がいいですよ。被害は2桁を超えてますしね。あと気をつけてください。奴ら反社と繋がりを持ってるみたいなんで。』
「へぇそれは危ねぇな。」
『あ、でも一応その反社は懐柔済みです。これがその反社の連絡先です。』
リツカはそう言うとポケットから紙を取りだし蘭に手渡す。