第1章 始まりは最悪な形で
【お兄ちゃん!!】
【よォリアァ!】
【何してんだ?リッカ】
【ずっとそばにいてよ。リア】
眠る度に夢を見る....
もう何年も何年も見続けるその悪夢はいつも目の前で大切な人達が消えていく虚しい夢....
最初は馬鹿馬鹿しいと思っていた。
でもそれが間違いだった。
運命の歯車は12年前のあの時からずれ始めていたのだ。
気づいた頃にはもう遅かった
遅すぎたのだ。何もかも....
7月1日 私の大切な妹
蒼葉杏花は私の唯一の居場所だった東京卍會によって殺された
何の変哲もないただの日常が悪夢へと変わったのは無機質なスマホから告げられる執事の声だった。
「リツカ様....杏花様がっ!!」
10年振りに聞く妹の訃報を知らせる執事の声は今までに無いくらいに震えていた....
何故こうなったのかは分からない....
でも唯一わかることは私は選択する未来を間違えたことと、もう二度と選び直すことができないと言うことだけだった。
もし....もしもう一度やり直せるのなら.....
────私は皆を救うヒーローになれますか?