第12章 運命の天秤
「一虎君。何やってんすかコレ」
「何って"踏み絵"だよ」
「踏み絵?」
『踏み絵.....』
「場地の"信仰"を試してんだよ。東卍から芭流覇羅に"宗旨替え"するなら、それなりの覚悟が必要だろ?」
一虎は今行われていることがまるで当然かのように雄弁に話す。
「今場地が殴ってんのは東卍の壱番隊副隊長。場地の1番の腹心だ。」
「壱番隊副隊長!?」
「東卍は芭流覇羅の敵。"神"(マイキー)を裏切るなら信じる"絵"を踏まねぇとなぁ」
『スパイじゃないかって試してるってこと?』
「そういうこと。」
「(元々自分に着いてきてくれた人を半殺しに....!?)」
「どうよ。これで認めるだろ?半間クン。オレの芭流覇羅入り。」
場地はそう言うとニヤリと笑い真ん中の玉座に座る半間を見据えた。
「すげぇなオマエ。ソイツずっと傍にいたやつだろ?」
「よくそこまでできるねぇ。」
「.....」
「ンだよ。説教聞きに来たんじゃねぇゾ。」
感心する声に気を悪くした場地は目の前に座っている幹部らしい3人を睨みつける。
「一虎ァ!!」
「ハーイ」
「用意できた?」
「うん。コイツが花垣武道。東卍の新メンバー。そしてこっちは東卍の特攻隊隊長 蒼葉六花。」
「昨日ぶりだな♡天使チャン」
『...."そうですね"。"半間クン"』
「なんだよぉ。まだキレてんのかァ?」
『別に。』
リツカはバツの悪そうに半間から視線を逸らす。
「(昨日ぶり?どういう意味だ?)」
「前に出ろ。」
ニヤリと嫌な笑みを浮かべる半間に鋭い視線向ける。
しかし、半間はそれに怯むことなく2人をを強引に前へ引きずり出した。