第12章 運命の天秤
────2005年 10月
『え.....?』
目を開けると夜の帳に覆われていて目の前に冷たい街灯が流れる道路を走行していた。
「オイ!リッカ!赤だぞ!!」
『え!?わぁ!!!』
後ろから聞こえる焦ったような声にハッ!と我を取り戻したリツカは急いでバイクにブレーキをかけ停車する。
『(じ、事故るかと思った....)』
「ったく危ねぇな。ボォーとしてどうした?」
『い、いや別に大丈夫。』
なんとも間が悪いことにどうやらバイクの走行中にタイムリープしたようだ。
ブォン!!
バイクのマフラーを鳴らしながら先頭を走り始める三ツ谷にチラリと視線を向けると特服を着ており、自身もどうやら同じく特服を来ているようで集会に行く途中だということは容易に感じ取れた。
「着いた。」
「ここは銭湯?」
「おーマイキーがここに集合だってさ。」
『ここに集合は隊長だけ?』
「おう」
『場地は?』キョロキョロ....
「アイツは謹慎中〜」
『なぜに?』
『何仕出かしたんだよ。』と内心呆れていると後ろを走っていたスマイリーたちも追いついて、バイクを止めると銭湯の前で誰かを出待ちするかのように待つ。
「そういえばオマエ。マイキーに誘われてたんだろ?行かなくていいのかよ。」
『あ〜.....いや、まぁうん。てか三ツ谷は知ってるだろ?オレの秘密....』
困った様で笑うと三ツ谷は「まぁな。」と言ってバツが悪そうにポリポリと刺青の部分をかく。
「でもアイツ拗ねてたぞ。エマたちとよく温泉とか遊びに行くのに俺たちとは風呂はいってくんねぇって。」
『あれはエマが荷物持ちして欲しいって言うからであって.....』
「相当拗ねてっからご機嫌取りしろよ。」
『ええ〜』
「誰が誰のご機嫌取りするって?」
突然の声が聞こえると同時に銭湯の扉が開き中からマイキー、ドラケンの順で出てくる。