第9章 8・3抗争
座っていた石段から立ち上がると、杏花を置いてリツカはゆっくりとした足取りで波打ち際へと向かう。
『杏花....こんなお兄ちゃんでごめんね』
「お兄ちゃん?何言ってるの?」
どこか不安そうな表情を浮かべた杏花がリツカの腕を掴む。
『杏花。約束して』
小指を差し出すと杏花は一瞬?を浮かべながら、小指を絡めた瞬間
パキンッ!!と脳内で何かが割れる音が鳴り響いた。
『12年後の未来でも幸せにね....』
音が反響する中、リツカの意識が段々と暗転していく。
ドラケンの死は止めた
これで現代の東卍のNo.2はドラケンのままで
稀咲がNo.2になることは無い
ドラケンの死で変わったマイキー
稀咲を恐れて自殺したアッ君
そして巨悪化した現在の東卍に殺された杏花
ドラケンが生きていれば全てが変わっているはずだ。
みんな生きているはず
そうだよね?
タケミチ!!ナオト!!
─────パキンッ!!!
また何かが割れる音がして意識が完全に途切れた。