第8章 喧嘩とすれ違う思い
─────8月1日
あれから説得も虚しく東卍は12年前と同じくマイキー派とドラケン派の2つに割れてしまった。
タケミチは入院、退院後も絶対安静....
パーちんは逮捕....1年以上は出てこれないとドラケンの電話で知らされた。
最悪の結果になってしまった。
『結局長内の言った通りになっちゃったな....』
リツカは数枚の紙を手に自室の窓辺に座ると、雲ひとつない憎たらしい晴天を眺める。
紙には特攻隊と特務隊で調べあげた裏切り者の情報が事細かに記されていた。
『あの時ちゃんと止められてれば.....ナオト....ごめん....』
数日前の惨劇とナオトの怒り顔がチラつきリツカは大きくため息を漏らした。
「リツカ坊ちゃん。元気ないですね。杏花お嬢様何か知りませんか?((ボソッ…」
「知らない。教えてくれなかった((ボソッ…」
「ココ最近生傷も耐えませんし、どうなさったんでしょう....((ボソッ…」
「お兄ちゃんまた無茶しないといいけど...マイくん達と一緒にいるようになってからずっと怪我してばっかり((ボソッ…」
「確かにそうですね。((ボソッ…」
扉の向こうから聞こえてくるボソボソ声に気づいたリツカが気だるげそうにチラリと扉を一瞥すると立ち上がる。
──────バンッ!
「「!!!??」」ビクッ!?
『そこで何してるの....』
「「え、あーいやー」」
勢いよく扉を開くと少し下に視線を向けた。
すると救急箱を持った東堂とティーセットを持った杏花がこちらを気まずそうに見上げている姿が目に映りこんできた。
『......はぁ。入っておいでそこは暑いでしょ。』
「「.......はい!!」」
2人は一瞬首を傾げお互いに顔を見合わせる。
そして言葉の意味を理解した瞬間パアァと目を輝かせ元気よく頷いた。