第7章 分かたれる道
「リッカ。お前も早く逃げろ。捕まるぞ。」
弱々しく呟いたパーちんにリツカは立ち上がると向き直った。
『.....パー。何があってもパーの居場所は東卍だ。参番隊はどんな理由があってもパーが隊長じゃなきゃオレは認めない。だから絶対に帰ってきてよ。約束して。』
「っ!.....ああ。約束する.....だからもう行け。」
リツカは頷くと「リッカ君!早く!」と急かすタケミチの後ろを着いていく。
すると、パーちんとすれ違う瞬間
「リッカ.....マイキーを頼む。」
少し震えた声が聞こえた。
リツカは一瞬目を見開くと、『うん。』と短く返事をして、マイキー達を追った。
それからは警察が到着し、逃げ遅れたメビウスの残党と自首したパーチンは取り押さえられてしまった。
「あークソ!なんでこんな事に!!」
困惑した様子のぺーやんが叫ぶ。
しかし、それはぺーやんだけではなくマイキーもドラケンも同じく困惑したような、現実を受け止められないような顔をしていた。
「(ヤベェ.....意識が....)」
ドサッ!
少しでも警察の手から逃れるために裏路地を走っていると後列を走っていたタケミチが倒れる。
「タケミっち!!」
『タケミチ!!』
リツカはタケミチの元まで戻ると抱き上げる。
『(殴られた後に走ったから、脳に血が登っちゃったんだ....)』
倒れたタケミチをこのままにして置く訳にも行かず、リツカだけがその場に残されることとなった。
あの時私が止めていれば....気づいていたのにっ.....
リツカはタラレバを吐きながら、救急車が到着するのを待つのだった。