第2章 目を覚ましたら過去だった....
ああ、息苦しい....息ができない。
いつからだっけ.....息をすることが出来なくなったのは...
今思い返せば東京卍會は居場所のない私にとって唯一の居場所だった。
あの頃は何事もない日常なんてものはなくて、色のなかった世界に色がついたように、あんなにも生きずらかった世界で、息をすること出来ていた。
何で手放してしまったのだろう....
あの時、彼らの手を手放さなければ何か変わっていたのかな....?
せめて人生最後の走馬灯では息が出来るといいな。
そう思いながら私は目を開けた....
卍 卍 卍
「おい!いつまで寝てんだ!起きろ!」
セミの鳴き声よりもうるさい声に目を覚ましたらしい少年がパチ。目を開ける。
すると目の前に広がっていたのは見覚えのある琥珀色の鋭い瞳。
突然のことに驚いた少年は叫び声を上げながら顔を上げた。
『わぁ!?』
────── ゴンッ!!!
鈍い音が辺りに響き渡る。
額と額を激突させた黒髪の少年と白髪の少年はお互いに額を抑えると悶絶し、その場にうずくまる。
『〜〜〜っ!!っいきなり何すんだ!場地!!』
「それはテメェだろ!リアァ!!」
涙目でギロリと場地を睨みつけた瞬間
少年の顔色が一瞬にして青ざめる。
ん?ちょっと待って....今私なんて言った?
場地...?え、今私場地って言った!?
ズキズキと痛む額を抑えながら場地を見るとどこからどう見ても、中学時代の制服を着た幼馴染み場地圭介がムスッとした様子で睨みつけていた。
『はぁ!?ば...じ?なんで生きて....それにここはどこ?』
「あぁ!?拉致られたお前を助けに来たんだろーが!目が覚めたんなら手伝え!テメェがまた知らねー奴にフラフラ着いていくからこうなったんだぞ!!」
『拉致られた?は?意味わかんない.....それに私死んだはずじゃ....それにタケミチは?』
「は!?オマエ何言ってんだよ!」
周り見てみろ!と言われて同い年ぐらいの少年を殴る場地の指さす方を見ると
そこは特攻服を来た大軍だった.....