夢に見た世界【アイドリッシュセブン】【D.Gray-man】
第1章 恋人同士とは(i7)完
それからは、壮五とは定期的にファミレスで会うようになった。
私はもう、パパ活のような事はしなくなり、大学では相変わらず一人きりで過ごしている、けれど。
以前のような理由の分からないどうしようも無かった寂しさは、嘘のように消えて無くなっていた。
壮五が無事アイドルデビューを果たしたした頃、私は大学を進級して、更に勉学に身を入れるようになった。
元々学びたかった事を究めたくなって、今は大学院生を目指して頑張っている。
壮五との関係は、変わっていない。
良い友人。
それ以上でも、それ以下でも無い。
とても心地よい関係。
今の私は、壮五とたまに会っては互いの近況を報告し合う。
その中で、どちらかが改善点を見つけられる事もあれば、何も話が進展しない時もある。
でも、会って話をする事に意味があるのだ。
壮五はアイドルとして、私は大学生として、それぞれ努力する。
壮五が仕事で上手く行っている時は私も嬉しい。
壮五がメンバーとの事で躓いている時は、私もどこか苦しさを感じる。
壮五が抱えていた問題が一つ解決する度に、私は心からお祝いした。
そういう仲だ。
今のところは。
最近、私の壮五へ向ける感情が、友情以上の物のような気がしている。
けれどその事は、今はまだ、深く考えない。
壮五と私が恋人同士。
そうなれたら、今よりももっと、毎日が特別な時間になるのだろう。
それはきっと、とても素敵な事なのだろうけれど、今はまだ。
友達のままで居させて欲しいのだ。
私は今日、少しオシャレしてファミレスに来てみた。
壮五は、一体どんな反応をしてくれるだろうかと期待しながら、私はいつものテーブル席に腰を下ろした。
「恋人同士とは」完