夢に見た世界【アイドリッシュセブン】【D.Gray-man】
第5章 恋人同士とは番外編2
「私、壮五がとっても大事なの。久々に出来た友達でさ、初めて長続きした友達だったんだ」
だからさ、と、震える声でカエデは言う。
壮五からは顔は見えないが。
きっと香住さんは泣いている。
そう感じた。
カエデは続ける。
「だから、やっと出来た友達を失いたくないの。友達じゃなくなるくらいなら、私はいっそ――」
死んでしまいたい。
と、はっきりと口にした。
「そんなの駄目だ!!!」
大声で叱る壮五。
「・・・壮五、そこに居るの――?」
「ごめん。実は、今家の前に居るんだ。ドアを、開けてくれないかな」
「・・・・・・」
カエデからの答えは返ってこない。
辛抱強く待つ壮五。
だが、望んだ答えは返ってこなかった。
「帰って。今日は、帰って」
拒絶された。
壮五は頭の中が真っ白になる。
「ごめん。分かった」
そのまま通話を切った。
耳元に当てていた携帯をゆっくり下ろす。
その手は、既に冷え切っていた。
壮五の携帯にラビチャが届く。
――もう友達やめる。
その文字を見て、壮五はドアの前で座り込み、声を殺して泣いた。