夢に見た世界【アイドリッシュセブン】【D.Gray-man】
第2章 観察日記「KYを見て」(DG)未完
今日は何をして過ごそうかと考えながら、自室から出る。
と言っても、私の休日の過ごし方は決まっていて、いつも同じような物だ。
まず清潔で黒い色の服を持って、大浴場に入る。
身を清めた後は黒い服で身を包み、着ていた服を自室に持ち帰る。
その後は、エレベーターに乗り、大聖堂へ向かう。
そこにある祭壇で、祈りを捧げる。
神様は偉大だから、いつも見守って下さる事への感謝と。
殉職してしまった人達の安寧への願いと。
明日からも神の祝福を承れるように、祈りを。
片膝をつき、両手を組んで祈っていると、後ろからコツン、コツン、と足音がした。
私以外にも神様にお祈りする人が来たのだろうと思って、そのまま祈りを続けていると。
「おい」
と、短く声をかけられた。
振り返るとそこには、団服を着た神田ユウがなぜか居て、私をじっと見つめている。
私は首を傾げながら、立ち上がって言葉を投げかけた。
「エクソシスト様も、お祈りにいらっしゃったんですか?」
「ちげーよ。神なんてモン、俺は信じてねぇ。それより、あの日記はもうやめたか」
「それは、エクソシスト様には関係のない事です」
咄嗟に笑顔を作って返す。
だが神田ユウは、そんな答えでは満足してくれない人間だ。
「チッ。てめぇは一々脅されねぇと質問にも答えられねえのか?」
その言葉で、この間の恐怖を思い出した。
神田ユウは、イノセンスを帯刀している。
これから任務なのだろう。
先日纏めた資料「マテールの亡霊」の調査報告が、昨日本部に届いた。
怪異の原因がイノセンスだったとはっきりした以上、任務にはエクソシスト様が向かう事になっているだろう。
おそらく、神田ユウはその任務に向かうエクソシスト様だ。
これは、お時間を取らせる訳にもいかないなと思いながらも。
どうにか時間稼ぎをして答えをうやむやに出来ないかとも思った。
まあ、後者が通用しないのは、この間の事でよくよく分かっている。
私は、正直に答える事にした。
「日記は、まだ続けています。これからも続けていくつもりです。何を言われようとも」
私の決意は固い。
だが、意思は揺らがずとも恐怖心で膝は笑う。
声も震えていた。
――殺されるかもしれない。
そんな思考が、私の身体をガクガクと震えさせる。
けれど神田ユウは、意外にもそんな事はしなかった。
