夢に見た世界【アイドリッシュセブン】【D.Gray-man】
第2章 観察日記「KYを見て」(DG)未完
日記を書き始めて、早半年が過ぎた。
今日は珍しく一日丸々非番の日。
私は、これまで書き記し続けた日記を読み返していた。
最初は、神田ユウの事しか書いていなかった日記が。
最近では、沢山のエクソシスト様とのやり取りが記入されている。
きっかけは恐らく、神田ユウにこの日記の事がバレてしまった時。
あの日から、私にとってのエクソシスト様像が、少しずつ変わってきたように思う。
ここ数日は、エクソシスト様から声をかけて頂く事も多い。
なぜだろう、と考えてみた。
思い返す、これまで教団で過ごしてきた日々。
最初は右も左も分からない子供が、読み書きができるからという理由で、通信班で働けるようになった。
働き始めた頃は、あまりの仕事の多さに目を回して、何度も逃げ出したいと思っていたっけ。
でも、まだ子供で未熟だった私を、気にかけてくれる人は居た。
新しい本部長が来た時の事も、よく覚えている。
長い雨が明けた日だった。
新しい本部長――今の室長様は、通信班で働いている子供の私に、わざわざ会いに来て下さって。
よく頑張ってるね、えらいね、って。
妹さんのリナリー・リーと歳が近いから、そんな風に言ってもらえていたのかもしれない。
あの兄妹は、本当に仲が良いと、噂で聞いている。
それからは、ずっと仕事で頑張って。
私が頑張っていると室長様は喜んでくれるらしいから、難しい単語も一生懸命覚えて。
あの頃は、本当に我武者羅だった。
室長様みたいな優しいお兄さんが居たら、きっと幸せだろうなと思う。
家族という物を知らない私にとって、本部の人達が家族のように思えたのも、そのくらいの時だ。
上司も同僚からも、仕事には厳しく指導されたのは変わらなかったけれど。
私を妹や娘のように扱ってくれる人が、段々と増えていった。
嬉しかったな、家族が居ない私に、家族ができたみたいで。
だから、私は今でも通信班で働いている。
それから、今年になって、やっぱりエクソシスト様への憧れが強いままで、私は日記をつけ始めた。
自分もエクソシスト様のようになりたい。
この思いは、最初に私を拾ってくれた人への憧れや恩義からくる物だろう、きっと。
と、ここまで考えて。
やっぱり、最初の疑問の答えは出なかったなと思う。
私は、開いたままだった日記を、そっと閉じた。
