第1章 こねこ、真っ黒なお兄さんと出会う
セバスチャン目線
全くあの3人は…落ち着きという物がないのでしょうか
おかげでほぼ全ての食材をダメにして…
「ミャ…」
「おや?猫の鳴き声」
近くに猫さんがいらっしゃるのでしょうか…
時間もまだありますし、坊ちゃんはダンスレッスンとヴァイオリンレッスンが連続である…
「寄ってみましょうか…」
この冷たい雨の中できっと凍えてるに違いない
そうであれば、早く温めて差し上げねば…
「ミャン!!ミャ?」
「おや…この子は…」
子猫…それもまだ小さい…
「ミャン?」
あぁ!!
そんな無邪気でつぶらな瞳で私を見ないで!
はぁ…可愛らしい…
「ミャミャ!!ミャンミャン!」
「ふふっ…そんなにじゃれて…はぁ…何と可愛らしい…」
「ミャ!!ミーーー!!」
遊びたいのでしょうか…
もしかしたら他の猫もいるから着いてこい…と?
「こらこら、裾を噛まないで…他の猫さんのところに連れてってくださるのでしょ?これでは私は歩けません」
そうなのか!!と言うような顔ですね
そんな姿も愛らしい…
「ミャーー!!」
「そんなに急に走ると転び〖べチャン!〗あぁ、ほら転んでしまったじゃないですか」
顔面から行きましたね…くっw
ジタバタしてらっしゃる…w
「んふっ…顔が泥だらけ…ふふっ…」
「ミィィィ!」
「あぁ行けません!ズボンで爪研ぎをなさっては!!」
〖バリッ!!〗
「裾が破かれてしまいましたね…後で直さなければ…もうズボンで爪研ぎをしてはいけませんよ?」
猫は自由でいいですが、流石にズボンがズタボロだと
坊ちゃんに何を言われるやら…
「ミャ!!」
「泥だらけな子猫…元気で素敵です…」
「ミャーーーーン!」
子猫の後を追いかけて
どんどんとある匂いが臭ってくる…
腐敗した…それも何日も放置されている…死体と同じような…
「これは……子猫の死骸…?まさか、この死骸は…」
「ミャミャン!ミ?」
ご兄弟…だったものでしょうね
しかもこの子はそれを"理解"していない
「このままでは皆さん風邪を引いてしまいますからね…私と貴方で何か雨風が凌げる物を持ってきて差し上げましょうか」
「?ミャン!」
分かってそうでわかってませんねコレ