第1章 こねこ、真っ黒なお兄さんと出会う
ピチョンピチョンと水が跳ねる音がする
雨宿りできる場所!!とても寒いけどガマンガマン!
周りにいる兄弟は目を半開きで体をひんやりさせて寝ていたり
瞼を閉じて隣に寄り添って寝ていたり
でも、たまぁに虫が兄弟の周りを飛ぶんだ〜
だから僕が皆の眠りを守るんだ!
晴れた日には人が住む世界に冒険に行って夜になったらその冒険の話をしてあげるの!
「ミャミャン!ミャッ!」
ねぇねぇ!今日は何のお話をしようか!
明日の天気?それともこれから晴れるか考える?
僕何でもいいよ!
「ミャン!!ミャ?」
あれ?兄弟もう寝ちゃったの?
ちぇ〜つまんないのー!!
もういいもん!僕一人で考えてやるんだもんね!!
〖パシャ…〗
「おや…この子は…」
「ミャン?」
お兄さんだぁれ?あっ!もしかして、僕と遊んでくれるの!?
「ミャミャ!!ミャンミャン!」
「ふふっ…そんなにじゃれて…はぁ…何と可愛らしい…」
遊ばないの?
あっ!!僕の兄弟紹介してあげる!!コッチだよ!!
「ミャ!!ミーーー!!」
「こらこら、裾を噛まないで…他の猫さんのところに連れてってくださるのでしょ?これでは私は歩けません」
はっ!そうなの?
じゃあ僕が先に行くからね!!
「ミャーー!!」
「そんなに急に走ると転び〖べチャン!〗あぁ、ほら転んでしまったじゃないですか」
いたーーい!!うーー!!
「んふっ…顔が泥だらけ…ふふっ…」
笑わないでー!やー痛いー!
「ミィィィ!」
「あぁ行けません!ズボンで爪研ぎをなさっては!!」
笑ったのが悪いんだもんん!!
〖バリッ!!〗
「裾が破かれてしまいましたね…後で直さなければ…もうズボンで爪研ぎをしてはいけませんよ?」
笑わなきゃやんないもん!!
ふーんだ!!
先行っちゃうんだから!
「ミャ!!」
「泥だらけな子猫…元気で素敵です…」
「ミャーーーーン!」
早くーーー!!