第10章 Betrayal
『…じゃあ、またね』
「オイ!」
『?』
「…1人で帰るつもりか」
『そうだけど…?
万次郎達には先に帰れって言ったし、、、』
「…はぁ、、、ったく」
圭くんは頭をガシガシと掻いて、自分がいつも首にぶら下げてるヘルメットを投げて寄越すと、ぶっきらぼうに言った
「…送る」
『え?』
「送るつってんだろ。
オラ、ケツ乗れ」
『でも圭くんの家逆方向だよ?』
「いいから、早く乗れ」
『…ありがとう』
「顔…なんでわざと殴られた。
避けて抑えることもできただろ。」
『…自分への戒め、かな?』
「イマシメ?なんだそれ」
『帰ったら辞書引いてみな』
「…わかった」
『ふふ、』
「…ちゃんと冷やしとけよ」
『わかった。』
なんだかんだ言って圭くんは優しい
万次郎みたいに素直じゃないし、けんちゃんみたいに大人でもない
たかちゃんみたいに気を遣ったりはできないけど、誰よりもまっすぐな圭くん
そんなあなたが私たちは大好きだった
そして、カズくん
圭くんと誰より仲の良かったカズくん
あなたは今、どうしてるんだろう
自分を守るために万次郎を敵にするしかなかった
本当は誰よりも万次郎のことを想っていたあなたなのに、、、
…カズくん
大丈夫
私たちは誰もあなたを裏切ったりしない
手を伸ばせば必ず引き上げてあげる
だからどうか、どうか帰ってきて