第10章 Betrayal
『ハァッ、ハァッ!圭くん!!』
「伊織…」
『圭くん、、、やっと追いついた…』
「…」
『ずっと、、、ずっと話したかった。
…稀咲でしょう?
東卍を裏切る訳じゃない。稀咲を探りに行くんでしょう?
それなら圭くんだけじゃ危ない…!私も…!!』
「…」
『1人でやらなくても大丈夫だから、、、
…東卍が芭流覇羅とぶつかる以上、確かに数という力は必要。
今稀咲率いる50人は東卍に必要不可欠。
だからこそでしょ?
ここまで絶対必要なコマが自分から転がってくるなんて上手い話、だからこそ稀咲が芭流覇羅と繋がってると圭くんは考えてる。
実際、前の抗争で組んでた半間が今は芭流覇羅にいる。
…違う?』
「伊織…」
やっぱり、圭くんは芭流覇羅に行こうとしてた
武藤さんが特務として見つけたのはコレ
でもこれは裏切りじゃない
圭くんはそんなこと、絶対にしない
「…稀咲が敵だと知ってる、お前にだけは話しておく」
『…』
「…芭流覇羅はトップがいない。
首のない天使とか呼ばれてる組織だ。
誰もトップを知らねえ。
だが、ほぼ間違いなく稀咲は芭流覇羅に絡んでる。」
『…トップが稀咲じゃないかってこと?』
「俺はそう思ってる。
…まだ確証はないが」
『そう。』
芭流覇羅のトップが稀咲、、、
そして稀咲は今、東卍の参番隊隊長
だからトップが不在
だから"首がない"天使…
「…俺は芭流覇羅の内側から稀咲を探る。
そして必ず証拠を掴んで東卍から稀咲を追放する。」
『…わかった。
それなら私も』
「いや、お前はダメだ。
俺が芭流覇羅から探る。お前は外から探れ。」
『…』
「それに…俺の目的は稀咲だけじゃねえ。
俺にしかできないことだ。」
『…?何?』
「…芭流覇羅には、一虎がいる」
『っ!』