第9章 Check
まだヒナの車は無事だ!
助けないと…!!!
「ヒナ!!ヒナァ!!!
ヒナ…っ!!」
車の窓から覗き込むと、頭から血を流したヒナの姿
俺の声に反応して目を開けた
…生きてる!!!
「ヒナ!!
待ってろ、今絶対出してやるから!
ヒナ!」
ドアをこじ開けて手を伸ばす
大丈夫だ!絶対に助ける!!
「ヒナ!手を!!
こっちも火が回ってくる!!
早くココから出るんだ!!!!」
「タケミチ…くん」
「ヒナ!喋ってる暇ないんだ!!
こっちも爆発しちまう!」
「ハァ、ハァ、、、ありがとう、ハァ、」
「そんなの後でいいから!早く!!」
早くしないと…早くしないとこの車もアッくんの車みたいに……!
「…無理、だよ、、」
「え?」
「足の感覚が、ハァ、、、もう、ないの、ハァ、ハァ、」
「っ!!!」
ドクン
そんな…
ドクン
嘘だ
ドクン
足が…
ドクン
…でも………それでも…!!!
俺は夢中で車内に身体を入れた
勝手に体が動き、ヒナを抱きしめる
「え?」
「…この先も、今も、昔も、、、ずっと、ずっと」
「愛してる」
君がどんな姿でも、君が何度死んでも、何があっても、、、ずっと
「…嬉しい」
「…」
「…でも、、、もう、行って」
「…ヤダ」
「お願い…大切な人にまで死んでほしくない…」
「ヤダ…」
…もういっそ、このままヒナと一緒に
ドン!
「え…」
「…」
「…嫌だ、ヒ…ドガン!!
「っ!」
そこにいるだけで焼け焦げそうな爆風に目を瞑り、再び目を開けると、そこには全てを焼き尽くすような赤が広がっていた