第5章 宗三左文字 / 触手パニック!? ★
「ぜぇ…ぜぇ…、ちょ、ちょっと休憩しない…?」
「おや? もう疲れてしまったのですか?」
「普通の女の子と刀剣男士の体力を一緒にしないでよ…!!」
時空転送装置のような時の政府の怪しげな機械を使い
例の無人島に着いた私たちは、早速周辺を探索していた。
時の政府から支給された、航空写真のようなものを頼りに
木漏れ日が降り注ぐ自然豊かな場所を歩く。
機動値や偵察値に長けたお小夜が先行してこの先を進み
宗三は念のため、私と一緒に歩いている。
遡行軍がいないとしても、獰猛な野生動物がいるかもしれない…
そう警戒していたのだが、今のところは一切そういった事もなく。
ひたすら続く美しい森林道に、緊張の糸はとっくに切れてしまっていた。
「お願い! 10分でいいから!! 少し休んだらまたちゃんと歩くから~!!」
「全く…。仕方ありませんね…」
宗三がため息をついていると。
ガサガサッと木々が揺れる音がして、すぐに上からお小夜が
軽やかに私の傍に着地した。
「お小夜!! お帰り!!」
「うん。周辺を探って来たけど、特に人間を襲いそうな動物も居なかったよ。このまま上って行けば開けた高台に出る。特に何もなかったけど…、途中、綺麗な花が咲いてた」
「そうですか。お小夜、よく頑張りましたね。後でそのお花の種をいくつか持ち帰りましょうか」
そう言って宗三が優しく撫でると、お小夜は嬉しそうに目を細めた。
尊い…
私の心が浄化されたのが分かった。
「あ、それから…、この近くに綺麗な泉があった。休むなら、そこで休んだらどうかな…って」
「ほんと!!??」
「そうですね。汗もかいたでしょうし、ついでに水浴びでもしていたらどうです? その間に、僕とお小夜は花の種を採りに行きましょうか」
「うん、案内するね」
こうして私たちはお小夜の案内でまずは綺麗な泉へとやって来た。
そんなに広くはないが、泉の水は透き通っている程に美しく
木漏れ日の光を反射してとても美しかった。
「え…何ここ天国?? 綺麗過ぎない??」
「貴女、ご自分が天国へ行けると思っているのですか?」
「それ酷くない!!??」
「えっと…主は天国へ行けると思う…」
「天使!!!!」
がバッとお小夜に抱き着こうとしたが、宗三によって阻まれてしまった。宗三のケチ。
