第55章 暗闇でも見つけて
気が付けば、杖は下がっていた。
そして空いている方の手で顔を覆った。
(----誰、か…)
そう思った時だった。
「グリフィンドールってのは影ではこういうことをしてるのかい?」
「!」
ミラは反射的に後ろを振り返って杖を向けた。そこにはドラコが面白いものを見たと言う顔をして立っていた。
「ドラコ…」
「随分酷い顔をしてるな、グローヴァー」
「いつから…」
ドラコは自身に杖を向けているミラに一歳怯むことなく歩み寄り、その手を掴んだ。
「来い、話したいことがある」
ミラは手を引っ張られ、よろけながらドラコに黙ってついて行った。
「ああ、そうだ。ロングボトム」
ドラコは足を止め、ネビルに振り返る。ネビルは怯えた目で二人を見ていた。
「このことは黙ってろ。もし誰かに言いふらしたら、今度の魔法薬の授業でお前のカエルを解剖するように、スネイプ先生に進言する」
ネビルはドラコの口からスネイプ先生という言葉が出ると、更に青ざめて首がもげるほどうなずいて見せた。ネビルが頷いたのを確認すると、ドラコはミラを引き連れて歩き出した。