第55章 暗闇でも見つけて
「もう終わったの?」
まだ羊皮紙の半分も埋めてないハリーがミラに声をかけた。
「要点は大体まとめたけど、もう少し資料がほしいから図書室に行ってくる」
「あら、じゃあ私も着いて行ってもいいかしら?他の科目で調べたいことがあるの」
「もちろん」
ハーマイオニーはいそいそと筆記用具や羊皮紙をカバンの中にまとめると、ロンが唸り声を上げた。
「君たちがいなくなったら、誰が僕たちの宿題を見てくれるっていうんだい?」
「宿題は自分でするものよ、ロン」
「あとでチェックしてあげるよ」
じゃあね、とミラとハーマイオニーは談話室を出た。談話室を出ると少しだけ肌寒いを感じた。十月はもうすぐそこまで迫っていた。
「他の科目はどう、ハーマイオニー?」
「ええ、今のところどれも楽しいわ。特にマグル学なんて、私たちが当たり前に思ってることを違う視点で見れて面白いの」
「それじゃあ今度、みんなに電話の使い方を教えてあげたほうがいい。大声で話さなくていいって」
「そんな人いるの?」
「いるんだなぁ、これが」
ミラが面白おかしくクツクツと笑うと、ハーマイオニーは首をかしげた。ミラはロンが夏休み、ハリーの家に電話をかけた時、電話を取ったのがバーノン伯父さんで、大声で話してしまったことを教えた。ハーマイオニーは苦い顔をした。
「そうね、電話の話が出た時に話してみるわ」