第55章 暗闇でも見つけて
ラベンダーとパーバティに水をぶっかけた日から、二人からは距離を取られていた。だからと言って、ミラがそれを気まづいと思うことはない。むしろ馴れ馴れしく、くだらない占いの話や噂話を聞かされなくて清々しい気持ちだった。
「あれはやりすぎだ」と、パーシーが後から注意しに来たが、ミラは聞き流した。
それがいけなかったのか、パーシーはミラがまた何かやらかすのではないかと目を光らせていた。談話室や廊下ですれ違う度に「今日は何もしてないだろうね?」と聞かれ、ミラをイライラさせていた。
「あなたのお兄さんどうにかしてよ、ロン。まるで私が問題児みたいだ」
談話室でミラたち四人はテーブルと椅子を寄せ集めて変身術の課題をしていた。ミラは談話室にパーシーがいないかを確認してから、向かいの席に座るロンに愚痴った。
「みたいじゃなくて、そうなんだよ。それに、ああなったパーシーを止めるのは大変なんだ」
「ロンも大概問題起こすのに」
「なんだって?」
ロンが目を釣り上げてミラを見上げると、ミラはせせら笑って羊皮紙に視線を戻した。
「言わせてもらうけど、君ってはっきり言い過ぎるし、協調性に欠けるよ」
「ロン!」
ハーマイオニーが教科書から顔を上げて声をあげた。
「本当のことだろう。寮の評判や得点なんか気にしてないし、そりゃパーシーだって目を付けるさ」
「そんな時間があったらペネロピーとかいうハッフルパフの子と過ごせばいいのに。よく付き合えるよ、あの石頭と--ああ、別に悪口じゃないよ」
「僕にははっきり悪口に聞こえたけど----そこは僕も賛成だ」
ミラは羊皮紙を手に持ち、間違いがないかないか確認すると、スルスルと丸め始めた。