第8章 真夜中の決闘
ハリーのクィディッチの練習が来週から始まることがわかると、ちょうどフレッドとジョージが広間にやってきた。ハリーを見かけるや否や、足早にやってきた。
「凄いな、ウッドから聞いたよ。俺たちも選手だ、ポジションはビーターさ」
「今年のクィディッチ・カップはいただきだぜ」
と、上からジョージ、フレッドが言いました。
「チャーリーが居なくなってから、一度も取ってないんだよ。だけど今年は抜群のチームになりそうだ。ウッドのやつ、小躍りしてたぜ」
「じゃあな、俺たち行かなくちゃ。リー・ジョーダンが学校を出る秘密の抜け道を見つけたって言うんだ」
「それって、俺たちが最初の週に見つけたやつだと思うんだけど。きっと『おべんちゃらグレゴリー』の銅像の裏に有るやつさ。じゃ、またな」
双子は言いたいことだけを言うと、また足早に去っていった。まるで嵐のようだとハリーとミラは思った。双子が広間から姿を消して、入れ替わるようにクラッブとゴイルを従えたドラコが現れた。
「ポッター、最後の食事かい?マグルのところに帰る列車にはいつ乗るんだい?そこの凶暴な友達も連れ帰った方がいい」
「地上に戻るとやけに元気だな。小さなお友達も居るしね」
と、ハリーは冷ややかに言うと、ミラとロンはいいぞ、とハリーの背中を叩いた。どう見ても小さくはないクラッブとゴイルだが、上座のテーブルに先生たちがズラリと座っているので、二人とも握り拳をボキボキ鳴らして、睨み付けることしか出来ないのがまた二人の笑いを誘った。
「僕一人で、いつだって相手になろうじゃないか」
と、マルフォイが言うと、これにはミラは少し目を見開いた。
「望むなら今夜だっていい。魔法使いの決闘だ」
注意深く、ミラはドラコを見た。
「どうしたんだい?まさか、魔法使いの決闘なんて聞いたことも無いんじゃないだろうね?」
「もちろんあるさ」
と、ロンが口を挟んだ。
「僕が介添人をする。お前のは誰だ?」
マルフォイは、クラッブとゴイルの大きさを比べるようにして二人を見比べた。
「クラッブだ。真夜中でいいな?場所はトロフィー室にしよう、あそこはいつも鍵がかけられてないんでね」
ドラコは二人を引き連れて、スリザリン寮のテーブルの方へ向かって行った。