第7章 飛行訓練
マクゴナガル先生はショックで言葉が出ないのか、先生の眼鏡は激しく光っていた。
「…よくもまあ、こんな大それたことを……首の骨を折ったかもしれないのに…」
「先生、ハリーは悪くないです!」
「お黙りなさい、ミス・グローヴァー」
「でも、マルフォイが…」
「くどいですよ。ミスター・ウィーズリー。ポッター、さあ、一緒にいらっしゃい」
マクゴナガル先生が大股で城に向かって歩き出したので、その後をハリーはトボトボとついて行った。ミラは付いて行こうとすると、ロンがミラの肩を掴んで首を横に振った。
そのときに、マルフォイとクラッブそしてゴイルの勝ち誇ったような顔がチラリと目に入り、ミラはポケットにしまっていた杖を抜き、ドラコの首元に突きつけた。
周りにいたスリザリン生たちが息を飲み、ドラコもまさか杖を突き立てられるとは思わず、勝ち誇っていた顔から一瞬で恐怖に変わった。
「これで満足?自分はさっさと逃げといてさ」
「っ…グローヴァー、お前…」
「このままアンタのその生意気な口からナメクジを出さしてもいいし、おできだらけの顔にしてやってもいいんだ。でも大丈夫さ、退学よりマシだろ?」
「や、やめ…」
ドラコはミラが本気で自分に呪いをかける気だと思った。自分に突きつけられた杖は顎下に強く押し付けられ、アメジストの瞳は冷たく、平然と自分を呪うと言ったミラから怒りを感じた。
「わたしはちゃんと言った、痛い目をみる前に返した方がいいって」
ミラはスッと息を吸い込むと、周りの生徒達は息を飲み込んだ。クラッブとゴイルもいつ自分たちに杖が向けられるかもしれないと思うと、動けないでいた。ただ一人ロンはやっちまえと願っていた。
「やめて!ミラ、だめよ!」
しかしハーマイオニーだけがミラに止めるように、ミラの杖を持っている手にしがみついた。
「お願いミラ!やめて!」
「ハーマイオニー、邪魔しないで。間違って全身オデキだらけにするかもしれない」
「ま、まだハリーが退学って決まったわけじゃないわ!それにそんなことをすれば、マグコナガル先生も悲しむわ!」
ミラは呪文を唱えようとした口をピタリと止めた。