第45章 見つけ出した関係
「----やっぱり、今度にする」
「は?」
生きて帰ったら伝えようと、あの時はなんの恥じらいも感じなかったのに、改めて言おうとすると、恥ずかしさが勝ってしまった。もうすぐそこにある医務室まで駆け込もうとすると、ドラコに腕を捕まれ、あと一歩と言うところで医務室の扉に触れれなかった。
「待て。言ってから行け」
「さすがシーカーを勤めてるだけあるね、私に追いつくなんて」
「あんな中途半端に終わらされたら、誰だって気になって仕方ないだろう」
しばらくミラとドラコの攻防は続いたが、ドラコが両手を使って腕を引っ張ったため、さすがのミラも諦めた。ドラコは勝ったことが嬉しいのか、満足そうな顔をしていた。---この男、やっぱり執念深というか、ストーカーだなと、ミラは何も言わず、思うだけにした。言えばめんどくさい事になるのはわかっていた。
「私、正直ドラコのこと、嫌いな部分が多いと思う」
「奇遇だな、僕もお前のこと嫌いだ」
やっぱり言うのをやめようかと思ったが、ミラはグッと怒りを堪えた。
「私の友達の悪口は言うし、偉そうで卑怯だし、臆病者だけど----」
「おい」と、ドラコは眉間に皺を寄せて、ミラを睨み付けた。
「…今回は、危険だってわかってて助けてくれた……そこは本当に感謝してる。ドラコにその記憶になくても、私は覚えてるから----私が『継承者』だって知ってて、呪いを解こうとしてくれた…ありがとう、ドラコ」
ミラはニッコリとドラコに微笑むと、ドラコは複雑そうな、喉に何か詰まったかのような顔をしていた。
「色々あったけど、私、ドラコと友達になりたい」
「----は、はぁ!?な、何を言ってるんだ、お前…!」
ドラコはまさかミラからそのようなことを言われるとは思っておらず、今日一番の驚いた顔を見せた。
「なんでお前なんかと友達にならないといけないんだ」
「だって、ドラコって意外と助けてくれるし、実は面倒見いいよね」
「っ…お前が危なっかしいことばっかりしているからだ!」
ドラコの顔は怒りなのか、羞恥心からなのか、真っ白い肌が真っ赤っかに燃えるほど赤くなっていた。