第45章 見つけ出した関係
「心配なんかしてません。僕はただ、記憶が一部なくなって迷惑してるんです」
「記憶を戻すことはできんが、君がたった一人で立ち向かったことを誉めねばならんの----そうじゃの、スリザリンに百五十点与えるとしよう」
ミラはパッとドラコに微笑むと、白い頬にうっすらピンク色に染めたドラコが、顔を顰めながら顔を逸らした。百五十点ももらったのに、何故嬉しい顔をしないのだろうかと、ミラは不思議に思った。
「ミスター・マルフォイ、ミス・グローヴァーを医務室に連れてってくれんかね?怪我はフォークスが治してまったが、念の為じゃ」
「----わかりました」
渋々と言った様子で、ドラコは引き受けた。一人でさっさと部屋を出て行ったドラコに続き、ミラも部屋を出ようとしたが、ハリーが気になり振り返った。
「私は、ハリーとちょっと話したいことがある…」
ミラは頷くと、扉のドアを閉めた。ドラコはもう先に行ってしまったのかと思ったら、そこまで離れていない距離で待ってくれていることに気が付いた。ミラは走ってドラコに駆け寄ると、ドラコはまた歩き出した。
「ドラコ、待ってって。もっとゆっくり歩いてよ」
「…」
ほんの少しだけ、ドラコは歩くスピードを落としてくれた。ミラはドラコの隣に追いついて顔を覗き見ると、どこか納得の行かない顔をしていて、不機嫌なようにも見えた。
「ドラコ、覚えてないだろうけど、助けてくれてありがとう」
「----馬鹿にしてるのか?」
ドラコはピタリと歩いていた足を急に止めた。ミラも遅れて止まり、ドラコに振り返った。
「何も助かってないだろう。結局お前を助けたのはポッターだ、僕は記憶を抜かれて廊下で突っ立ってただけだ」
「ドラコ…」
「それに、僕から記憶を抜いたのは一回だけじゃないだろう」
「!」
ミラは驚いてドラコを見ると、ドラコは確証を得たような顔をした。
「何か知ってるようだな」
「…知ってるも何も、操られていた時の記憶がある…その時も、ドラコは助けようとしてくれた…記憶を抜かれたのは、私が弱かったからで…ドラコのせいじゃない」