第45章 見つけ出した関係
「…!……ミラ!」
誰かに揺さぶられる感覚と、声が聞こえた。真っ暗な世界でゆっくり眠っているような感覚から、急に思考や意識が頭に戻ってくるのがわかった。
「----ハリー?」
「ミラ!」
目を開けると、ハリーが満面の笑みを浮かべて抱き起こされた。
「よかった、よかった…」
「ハリー、苦しいよ…」
ミラはハリーに抱き起こされたおかげで、ハリーの背後で巨大なバジリスクの死骸が目に入った。トムはどうなったのだろうと、あたりを見ようと動くと、ハリーがやっと開放してくれた。
「ハリー…その肩…」
ハリーの上衣は血に染まっていた。その割には、ハリーはピンピンしていることにミラは頭を混乱させた。しかし、ハリーの手にある『日記』を見て、ミラは体を強張らせた。
「トムは----トムはどこに、」
「大丈夫だよ、ミラ。もう終わったんだ、トムはおしまいだ」
ハリーはそう言って、『日記』を持ち上げ、その真ん中の毒牙で焼かれた穴をミラに見せた。
「どうやって穴を----燃やそうとしても燃えなかったのに」
「バジリスクの牙だ。牙には猛毒があるから、きっと『日記』も耐えきれなかったんだよ」
「ざまあみろって感じ----そういえば、ジニーは?」
ホッとしたのも束の間、ミラはジニーがどうなったか気になった。身代わりになった瞬間から、意識はほぼなかった----ートムは約束通り、記憶を消してくれたんだろうかと、ミラはジニーを探した。ジニーはミラのすぐそばで倒れていたが、顔色はしっかりと赤みを帯びていた。気を失っているのか、それとも眠っているのかわからなかったが、まずは無事な姿を確認できて、ミラは安心した。