第7章 飛行訓練
「じゃ、わたし図書館に用があるからまたね」
ミラは鼻歌を歌いながら談話室を出ていった。ハリーとロンは顔をわせると、「また図書館か」とぼやいた。
「ハーマイオニーじゃあるまいし」
「ミラはああ見えて頭はいいんだ。マグルの学校でいつも成績が良かった…素行はよくなかったけど」
「僕は今でも信じられないよ、ミラがグリフィンドールだなんて」
「僕も。でもすごく心強いよ」
学校でいつもダドリー軍団に追い回されていたハリーにとって、ミラはヒーローのようだった。いつも落ち込んだ日には話を聞いてくれるし、何度自分を元気づけようとしてくれたしてくれたことか。ミラが自分と同じグリフィンドールに決まった時、ハリーは本当に嬉しいと思っていた。
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ホグワーツの図書館は、通っていたマグルの学校全部を使っても、本が収まらないんじゃないかと思った。ミラは時間があれば変身術の本を片っぱしから漁った。マッチ棒を針に変えれなかったことが、ミラの中で引っ掛かり、そして誰よりもマクゴナガル先生に認めてほしいと思っていた。
しかしミラはマッチ棒を針に変えることは、すでにできていた。図書館に通って数日、しっかりと変えたいものを頭の中に浮かべ、杖を振れば、あの日ハーマイオニーが作り出した針になった。
もちろんできたことの喜びはあった。しかしそれをわざわざマグゴナガル先生に見せるべきか____ミラは悩み、考えた。
どうせやるなら、次の授業で驚かせてみたい。そう思った日から、ミラの図書館通いが始まった。毎日の授業が終わった後、夕飯前にはいつも変身術の本がまとめてある本棚のテーブルを牛耳っていた。
本を読み進めていくと、変身術には動物もどき__『アニメーガス』という高度な変身術があることがわかった。一度興味を持って専門の本を読んでみたが、今のミラが理解するには複雑すぎ、書かれていることの半分も理解できず、まずは基本をするべきだとその本を本棚に戻した記憶は新しい。
「今日も来てたのね!」
それともう一つわかったことは、図書館のどこかにいつもハーマイオニーがいることだった。彼女はいつも色々なジャンルの本を読み漁り、勉強している姿を見かけない日はない。