第43章 秘密の部屋へ
「おい、ここで何をしている」
「っ!」
まさか背後に誰かがいるとは思っておらず、もう先生に見つかってしまったのかとミラは慌てて振り返った。
「な、何でアンタが…今は授業中のはずじゃ…」
「それはこっちのセリフだ」
背後にいたのは、ドラコ・マルフォイだった。腕を組んで、呆れたような顔をしてミラを見ていた。
「たまたまお前たち三人が、先生も付けずにどこに行くのか見かけてね。医務室で長い時間何をしてたか知らないけど、案の定、君はあの二人とは別行動をした。嘘つきなのは相変わらずだな」
「----ストーカーって言葉、知ってる?」
ミラは盛大に顔を顰めた顔をドラコに向けた。
「アンタに構ってる時間なんかない。こっちは今大変で----」
「待て。その前に僕の質問に答えてもらう。そうじゃなかったら、こんなこと、僕がわざわざ----」
ミラはドラコが話しているにも関わらず、無視して早歩きで廊下を歩き出した。ドラコにかまっている時間があるなら、一刻も早くジニーと話がしたかった。あと十分もしないうちに、授業が終わって、先生や生徒たちが歩き出す前に、なんとか辿り着きたかった。
ドラコもどうやって授業を向け出したかわからないが、こんなところを誰かに見られたくないだろうと思い、諦めて帰るだろうとミラは思っていた。が、ドラコはミラの後に着いてきた。
「おい、待て。話を聞け」
ドラコは諦めずに着いてきた。ミラは何も聞こえないふりをして歩き続け、ちょうど三階の階段を登り切った時に、ミラはある事を思い付いた。四階に上がる階段は登らず、三階の廊下を歩き出した。ドラコはまだ着いてきたが、どこに向かってるいているのかわかった時、ドラコの口数はだいぶ減ったことに気が付いた。
「お前、僕が怖がると思ってわざとこの通路を通ったな」
ドラコは嫌味ったらしく言った。
「じゃあさっさとどっか行けよ。私は忙しいんだ」
ミラはツンケンした態度でドラコに接した。まだ魔法薬で言われたことを根に持っていた。やっぱりドラコとは仲良くなれないのだと、あの時ミラは強く思った。これからもきっとドラコとは相容れない関係なのだと、ミラは見つかりそうなドラコとの関係を諦めた。