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【HP】怪鳥の子

第43章 秘密の部屋へ


「僕だけじゃないんだ、この学校で『蛇語』を話せることができるのは。『スリザリンの継承者』も話せるんだ、そうやってバジリスクを操ってきたんだ」
「これからどうする?すぐにマクゴナガル先生のところへ行こうか?」
「教員室へ行こう」

 三人は弾けるように立ち上がった。医務室を出ると、ミラは足を止めた。

「二人とも、先に行ってて」

 ハリーとロンはビックリして振り返った。

「やっぱりマダム・ポンフリーに診てもらうよ。なんか、さっきより痛い気がする」

 ミラはこめかみに手を当てた。

「大丈夫?」
「薬をもらったら私も教員室に行くから。だから二人は早く先生たちに『秘密の部屋』のこと伝えるんだ」
「…わかった。でも、本当に辛かったらここに残ってて。僕たちでなんとかするから」

 ミラはハリーに拳を突き出すと、ハリーも自分の拳を合わせた。ハリーとロンが教員室向かうのをしっかり確かめた後、ミラは医務室には戻らず、ジニーが今受けているであろう授業へ向かった。


 一体どうやって授業中のジニーを呼び出すべきか、ミラは悩んでいた。生徒が一人、しかも自分は監督生でもない、まだ二年生の生徒だ。学校内を一人で彷徨いていると思われ、怒られることはわかっていたが、ミラは一刻も早くジニーに会って話しがしたかった。

 記憶が確かであれば、一年生は『呪文学』の授業を受けていたはずだ。フリットウィック先生なら、多少怪しまれるかもしれないが、緊急のようでジニーに用があると言えば、なんとかなるかもしれない。最悪、マクゴナガル先生の名前を使うことも考えたが、これは最終手段だ。もしこれがスネイプ先生だった場合、問答無用で教室を追い出され、マクゴナガル先生に報告するだろう。スネイプ先生でなかったのが幸いだと、ミラは心底思った。


 あの時の羽はフクロウのではなく、鶏だったんじゃないか----ただ確かめるだけなのに、言いようのない不安がミラの心を揺さぶっていた。なるべく目立たないように、角を曲がるときは誰もいないか確認をした。

 なるべく先生に見つからないように、角を曲がるときは一度止まり、廊下に誰もいないか確認した。誰もいないことを確認しているとき----。
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