第41章 深まる影
スネイプ先生の歪んだ顔を見ても、ミラは静かに見据えた。きっと可愛さのかけらもない生徒だとスネイプ先生は思っただろう。ドラコのように誰かに媚を売るようなことなど、ミラがこの世で一番嫌いな行為だった。
「何でハリーにそこまで突っかかるんですか?ハリーが先生に何かしたんですか?ハリーはただ、ヴォルデモートに両親を殺されて----」
「黙れッ!」
教室中にスネイプ先生の声が広がった。突然の大きな声と、怖い顔でミラを睨みつけたスネイプ先生に、ミラは一瞬凍りついた。
スネイプ先生がミラを睨みつけた後、彼は深いため息をついて言葉を投げかけた。
「その名を口にするのは軽率だ。その名前は恐怖と死を呼び起こすものだ。お前はその危険を理解しているのか?」
ミラはスネイプ先生の冷たい眼差しにもめげずに、固く立ち向かった。
「ハリーは私の大事な家族です。相手が誰だって、私は戦うつもりです」
凛とした態度でミラは言い切ると、スネイプ先生は無視して教室を出て、ミラが後を追ってついてくるのを待った。どうやらこれ以上話す気はないようだった。ミラも黙って後に続いた。暗い廊下を歩いていると、見張り番だと思われる先生や、絵画たち、ゴーストもそこら中を飛び回っていた。もしハリーたちがもう行ってしまったのなら、この見張りが多い中、かなり慎重に進まなければすぐに見つかってしまうかもしれないと、ミラは思った。
グリフィンドールの談話室前まで来ると、スネイプ先生はやっと足を止めた。
「さっさと行きたまえ」
言われなくても行くよと、ミラは眉間に皺を寄せてスネイプ先生を追い越した。合言葉を言う直前、ミラは後ろを振り返ると、スネイプ先生はまだいた。早く行けと、目で訴えていた。
「先生は、私がマグル生まれじゃないことを知ってたんですか?」