第41章 深まる影
質問が終わる前に、ミラはスネイプ先生に教室に押し込まれてドアはピシャリと閉められた。外からはスリザリン生たちが歩いていく音也、クスクスと笑う声も聞こえた。ミラはイライラしながら教室の中に入っていくと、薄暗くて見えなかったせで、何か気持ち悪いものを踏みつけて飛び上がった。
「ルーモス」
杖に光を灯して下を見ると、ねっとりとした液体のようなものが、床一面に広がっていた。あたりを見回すと、それは広範囲に広がっており、あちこちにこびりついていた。なんとなく、ミラはやることがわかった。被害の少ない入り口まで戻り、大きなため息を吐いた。
やっとスネイプ先生が来る頃には、三十分以上待たされたような気がした。案の定、床の気持ち悪い液体の掃除で、魔法は使わず、マグル式で掃除をしなければいけなかった。
これぐらい魔法で綺麗にできないのかと、ミラは悪態をつきたくなったが、絶対にわざと残しておいたんだと、嫌でもそう思いたくなる。しかもスネイプ先生は教卓に座っており、どこかにいく気配もなかった。前回の鍋の焦げ落としの時は最初と最後しかいなかったくせに----ずっと見張られているようで嫌だなと思いながらも、ミラは床にこびり付いた液体をヘラでかき集めて、バケツの中に入れていった。
どれくらい時間が経ったのか、地下牢には時計もないせいで、今何時なのかわからなかった。なるべく早く終わらせるように全ての液体をバケツの中に入れたが、もしかしたらもう十二時を越えたかもしれないとミラは焦りを感じていた。
しかし、罰則はまだ終わっていなかった。次に水の入ったバケツとブラシとモップを渡され、ミラはうんざりしながら作業に戻った。反論すればそれだけ時間の無駄になる。無心で汚れていた床にブラシをかけた。
ようやく全ての掃除が終えると、生徒たちの宿題を確認していたスネイプ先生が、手を止めて教室の隅々まで汚れていないか確かめた。
「授業の間も、これくらい静かだと助かるのだがね。ポッターと同じで目立ちたいだけだったか」
「先生、終わったんならさっさと返してくれませんか?それに、本人のいないところでも悪口なんて、最低ですよ」
ミラは健全とした態度でスネイプ先生に言い返した。